2020年以来、唯一の例外として早朝にどこも開いていない時に牛丼屋に行ったことがあるだけで、店での外食をしていない。テイクアウトで屋外で食べることはあったけど。けれども先月末、安いという理由で久々に店舗での外食をしたのだけど、その壁に絵のコピーをトリミングした額が飾られていた。

羽根の生えた幼児が描かれていたのだが、一方は鳥の翼であり、一方は昆虫、それも鱗翅目の翅である。つまりこの2人は門レベルで違っている。調べてみたら、鳥の翼の方はクピードーいわゆるキューピッドであり、昆虫の翅の方は、これでも人間らしい。

← 『Lily Fairy』,ルイス・リカルド・ファレーロ
『受胎告知』部分 フラ・アンジェリコ →
昆虫式の翅を持つ人型の存在としては、上の絵の左側の「妖精」が知られている。妖精はかなり小さいので、空気を流体として飛ぶだけでなく、粘性も利用して飛ぶんだろうか。さて、昆虫の翅は発生的には脚や触覚と共通しているらしい。つまり、阿修羅などの六臂のうち2対と共通の起源を持ち、ある時期から、一方は腕として、一方は翅として、機能が別れ形態も違ってきたものということになる。
クピードーとよく混同される存在に、上の絵の右側の天使がある。天使を画像検索してみると風切羽が描かれていたりで、こちらも鳥の翼と似たようなものらしい。つまり、同じように背中に「羽根」がある妖精とクピードーや天使だけど、それは収斂進化の結果であって、妖精はクピードーや天使とは門レベルで違い、むしろ阿修羅と近縁ということができる。
画像検索をした結果、天使の翼はどのような構造になってるんだろうかが気になった。飛行時と着地時で尺骨と指骨の間、つまり人間の手でいえば「手首」はよく動いている。でも人間の手でいえば「二の腕」、鶏肉では「手羽元」と言われる上腕部の構造がよくわからないし、それどころかないように見える絵もある。鳥のようにたたまれることもない。確かにこの部分は鳥でもわかりにくい部分で、飛んでる際は先の部分と灘らかに繋がり、翼を畳めば隠れてしまい、胴体側は羽毛に隠れている。

← 『聖母子と智天使』アンドレア・マンテーニャ
サモトラケのニケ →
その謎を解くヒントを与えてくれたのがエライ天使である。エライ天使の「熾天使」や「智天使」は、胴体が炎だの翼が3対だの頭が4つだの目だらけだの諸説があったらしいけど、結局、上の絵の左側のように胴体がないということになったらしい。ゆっくりさんみたいなのだ。そして翼がある。つまり頭部に羽根が生えていることになる。といっても、東映の名作「デビルマン」で名演技を見せてくれた鳥の被り物をした姉ちゃんみたいな、頭の上から生えてるんじゃなくて、首の方に生えてるようだ。
「聖なるかな」と唱えながら飛び回るらしいので、翼と首は必要になるが「胴体なんて飾りです。偉い人にはそれが分からないのですよ」ということらしい。
そう思って、改めて見てみると上腕部がわかる天使の翼は、概ね肩より上から生えている。最もわかりやすいのは天使ではないが、同じく地中海周辺に先行して生息していたギリシヤのニケさんだ。
つまり、天使の翼は肩より上の首から生えており、胴体がある場合、上腕部は首から背中に沿って首や胴体と一体となっているため、天使の翼が拡げても畳んでも背中の一定の位置から生えているように見えたり、上腕部がないように描かれるということになるんだろう。

頭と翼という鳥は見たことがある。コミミズクというフクロウ目の鳥である。天使が羽音を立てるというのは聞かないし、天使の翼はフクロウ目に似てるんだろう。

ということで、大天使のガブリヨリの絵である。
左のかいなを返して相手の右上手を切り、右上手を引きつけてのガブリヨリである。対戦相手と観客は他所からパクってきたけど有名すぎるし元ネタは書かない。その昔、なぜか「天使の街」の住人に気に入られたガブリヨリであるが、以上のような考証を経てやっとこさ視覚化できたのである。

さて、他に背中に翼がある人型存在としては天狗がいる。天狗の翼も天使同様に肩の高さから生えている。しかし生えているのはかなり外側である。胴体がなくなることがないので首の位置から生える必要はないし、さらに腕の外側に鳥のように完全にたたむこともできる。
これまで、
夏に鯉の洗いに青菜を食ったり、千両みかんの代わりに千両ナスを食ったり、落語に出てくる食べ物を食べることがあった。ちりとてちんは嫌だが、食べたくなったのが「天すき」、つまり天狗のすき焼きである。落語では天狗を捕まえるために鞍馬に行くのだけど、未だ見たことないし、行っても捕まえるのは無理そうだ。ところが金沢には天狗の肉を売っているらしい。敦賀で電車が分断されて行きにくくなったけど、機会をみて作ろうと思う。
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