07/09/2016

ある砂防ダムのこと

オオルリ 毎年載せている水が落ちる堰でのオオルリの水浴び。ちょいちょい行く近所の山麓にある砂防ダムでの光景だ。
 このあたりの山は高さはそうないものの、山の向こう側や裏山に比べれば、けっこう急傾斜になっている。そして崩れやすい花崗岩が多い。
 この砂防ダムは30年くらい前に出来たようで、かつての地図を見ると、ダムの上には水が溜まり池になっていたようだが、近年ではほとんど砂に埋まってしまい、砂の上に残った浅い流れの周囲には笹藪が出来ていた。
 その藪や周囲の樹林が隠れ場所になって、この細流に鳥が水浴びに来るので、近くて麓の自転車置き場から400m程度という手軽さから、ちょいちょい見に行ってた。砂が石英質なので、陽が反射し、キビタキあたりは胸の黄色が鮮やかで写りがいい。
ノジコ これは、昨年の4月29日、ノジコが水浴びに来た時のもので、笹藪から出て来て、水飲み、水浴びをしていた。
キマダラルリツバメ また、麓には桜並木があるからか、一昨年の7月1日にはキマダラルリツバメが給水に来ていた。

 山間の川の一部なので、春にはヒメクロサナエ、秋にはミルンヤンマが見られる。そして、ダムで樹林が開けて下流側も開けている状況なので、他では暗くて撮りにくいことが多いこれらのトンボが、ダムの上流では普通に撮れる。
ミルンヤンマ 一昨年の9月26日に飛んでいたミルンヤンマ。背景はダムにともなって造られた土留めのコンクリートだけど、苔が付いてる。

 さて、砂防ダムが砂に埋もれてしまっては、その役に立たないわけで、昨年の夏には、溜まった砂がかなり掘り出されてしまった。掘り出された砂は、周囲にナラ枯れ対策で伐られて置かれていた木を埋めるように積まれていた。流れに被さるような笹藪もなくなった。浅い細流が池になったわけである。
 工事の直後に行ってみたけれど、こら鳥はアカンな、という印象だった。来るとしても数は限られるだろうな、という感じで、実際にこの春はそうだった。

キオオルリボシヤンマ ただ、池が出来たためか、工事直後の9月15日には早速オオルリボシヤンマが産卵に来てるのを見かけた。この山でオオルリボシヤンマを見るのは初めて、というか自転車で行けるような近所で見るのも初めてだった。止水がなかったから当然かもしれないが。
ミルンヤンマ 一方、10月3日には、池に流入する流れの朽ち木に産卵するミルンヤンマも見られてるし、今年も、先日は♂がパトロールしていた。途中に池が出来ても、通過してるようだ。

 鳥の方は予想通りで、来ないことはないのだが、池には来なくて、やはり池に注ぐ細流に来る程度で、レフ効果もない。渡りのコマドリは、隠れ場所になっていた場所が砂で埋められたので、この春には見なかった。ノジコも見なかった。けれども両方とも、すぐ近くの別のとこで見たんで、この山麓には来ていたし、そっちで撮ってるんでいいんだけど。そんなんで、この夏は、この砂防ダムには、ほとんど行ってない。

 この砂防ダムから、数十メートル下流で合流する沢がある。その谷は尾根まで200mくらいと短く、そして沢も急で、1mちょいくらいの堰が何箇所かに設けられていて、その堰では、やはりオオルリが水浴びに来たりしていた。沢の両側も急斜面で、樹木も高く薄暗い谷になっていた。
サンコウチョウ 数年前までは、この谷を餌場にしていたサンコウチョウがおった。これは2011年6月6日に撮ったもので、谷の両側が急なために、斜面を上がれば、見上げなくても、そう遠くない距離で見られる。
 なので、時々行ったのだけど、急斜面を登るのがけっこう難儀で、やはり林内は暗いし、鳥がよく樹の陰になるのだけど、足許が良くないために、横に移動するのも容易ではない。
フクロウ 同じく2011年の5月18日に撮ったフクロウだけど、この絵のすぐ右には手前の樹が写っている。暗い、足許が悪い、障害物が多い、ということで、近年は年に1度、行くか行かないかという状況になっていた。
 この谷の出口付近にも一昨年に砂防ダムが造られた。2段になっていて、上部には水が溜まって池に成り、周囲の樹は伐られて、土留めがされている。
 短い谷なので、出口周辺がは開けてしまうと、奥は従来のままなんだけど、伏流水になっていて、鳥が水浴びするような溜まりは見あたらない。

 その新しい砂防ダムの上を何やらトンボが飛んでると気付いたのが、今年の8月23日。ダムの池に上がって見たらオオルリボシヤンマの♂がパトロールしていた。
 その後の状況は、ここんとこに載せてるとおりで、来る鳥はキセキレイくらいだけど、オオルリボシヤンマの他にタカネトンボやネキトンボも来ている
ヤマアカがエル タゴガエルしか見なかった谷だけど、池にはヤマアカがエルも浮かんでた。
 オオルリが来なくなって、オオルリボシヤンマが来るようになったわけだけど、オオルリはいなくなったわけでもなく、他で水浴びしてるだけ。鳥だけなら、面白みは減ったし、トンボ類が定着するかどうかもわからんけど、この2年の局所的な環境変化をけっこう面白がっている。
 大規模なダム工事だと、事前に環境アセスメントが行われたり、事後の環境調査も行われるんだろうけど、小規模の砂防ダムなんで、そんなこともされてないだろう。というわけで、ほんの少数の生物だけにしろ、せっかく前後の状況を見てるんで、個人的な記録。

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31/12/2015

今年の野良鳥(2015年)

 今年撮ったトリは123種、ソウシチョウは入れてない。この5年間で、189、188、165、132、そして123種とコンスタントに減っている。今年だとムクドリ、ケリ、オオバン、カイツブリ、カワウとか、しょっちゅう見てるのに撮ってないのもあるからだけど。
 例によって、各月からセレクトして、クリックしたら大きめの画像が出るようにしてみた。
ウソ 今年最初に撮ったのはウソ。5日になって初めてカメラを持って出かけたが、近所の山だけど、やや上の方まで行って見た。他は裏山とか大賑わいの河川敷。
アカハラ あいかわらず、大賑わいの河川敷の他は、裏山。そんななかで近所の私設の植物園で越冬していたオオアカハラ。生け垣越しなので撮りにくかったけど、東日本にゃ普通におっても近所じゃそうおらんので、ちょいちょい見に行った。いつ行ってもおったし、他にも行ったらおったという人が何人かおる一方で、何度か行ってもいないという人もけっこういた、
クロサギ 交通が不便なために昨年は行かなかった早春の越前海岸。一昨年には見かけなかったクロサギを今年は見かけた。他には前月同様に河川敷だったり、時間のない時はオオアカハラだったり。
ノジコ 4月は近所ばっかりだけど、春の渡りのシーズンなんで、何なとがおるし、トリがおらんでも蝶々トンボの類も出てくる。そんな夏鳥の通過ポイントに行ったらノジコがおった。秋に100羽近くがおる湿原に行っても芦の中でそう見られんのに、たった1羽だけだけど、砂に埋まった砂防ダムの水に降りて来て、近くでゆっくり見られた。
ミソサザイ 夏鳥のゆっくり組が来る時期なのだが、今年はやたら早かったようで、行っても、おるのはもう繁殖に入ってる先発組ばかり。そんな中で遭遇したミソサザイの巣立ち。そういや、毎年だと3月によく撮るミソサザイを今年は撮ってないんで、ミソサザイのお子ちゃま。
コサメビタキ コサメビタキは春秋には普通に見られるが、ごく近所で繁殖するのはそう多くない。出かけて撮ったのはオオアカゲラとサンショウクイくらいなんだが、レンズを向けてると、走って寄って来るあほがおった。さらにその場所では、後に行った人に聞くと、繁殖が予想されるのにあちこちで音を流してるは、ミミズやミールワームがそこらじゅうに撒いてあるは、と悲惨な状況になったらしい。そんなんで、この頃から、その場所はもちろん、トリを撮ってる人が寄ってそうなとこにも行くのが嫌になってた。
ウグイス そんなんで、あまりトリは撮らずに、飛んでて留まらん光沢のあるトンボを何とかちゃんと撮ろうとが、近所で蝶々トンボの類ばかり撮ってた。なので撮ったトリも少ないのだが、巣立って日もない幼鳥を見た中でウグイス。
ホトトギス 近所のトケンといえば9月の渡り途中のツツドリというのが相場で、ホトトギスは近所の山麓で夏中、時には夜も鳴いてるくせに撮らせてもらえない。ところが今年は、近くの公園で8月にホトトギスに遭遇、10月にカッコウに遭遇した。鳴かぬならツツドリと見分けがつかんホトトギス、だけど。
チョウゲンボウ 9月は秋の渡りが始まるわけだけど、今年はタカの渡りを見に行ってないし、そこらで見るのはノビタキとサメビタキ3種ばかり、水鳥を見に行ったけど、これといったのはおらずに、むしろイトトンボを撮ったりしてた。その際に上空でホバリングしてたチョウゲンボウ。
クマタカ 10月の年中行事というと山栗を運ぶカケス。ところが今年はほとんど飛んでないなぁ、と思ったら上空をクマタカが通過して行った。後半からは、たぶんオオムシクイ、ヒガラ、そしてキトンボとゴイシシジミのヘビーローテーション。
クロジ 近所でヒガラ、クロジ、ルリビタキのヘビーローテーション。他にも冬モノは来てるんだろうけど、あまり出かけてない。出かけて何もおらんでも、蝶々トンボの類を撮ってりゃいいか、という季節じゃなくなったということもあるし。
ベニマシコ 昨年も12月はサボってたけど、今年も。始めは11月の延長でヒガラ、クロジ、ルリビタキのヘビーローテーション。31日になって、やっと近所以外の冬モノでもと、ベニマシコくらいおるやろと行ったとこに、ベニマシコくらいしかおらんかった。そして、今年の初めがそうだったように、帰りに寄り道してコミミズク。

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今日の野良鳥(12月31日)

 3週間ぶりのトリさん。
オカヨシガモ オカヨシガモ、Anas strepera
コミミズク コミミズク、Asio flammeus。今年最後で今期初。
コミミズク
コミミズク
コミミズク
コミミズク 別個体のコミミズク。
コミミズク 東芝RPU-3011ユニットクーラー、東洋電機製造PT-4805B-M下枠交差形パンタグラフとコミミズク。
モズ モズ、Lanius bucephalus
ベニマシコ
ベニマシコ
ベニマシコ
ベニマシコ
ベニマシコ ベニマシコ、Uragus sibiricus。
オオジュリン オオジュリン、Emberiza schoeniclus

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09/12/2015

今日の野良鳥(12月9日)

カワセミ カワセミ、Alcedo atthis。
ジョウビタキ ジョウビタキ、Phoenicurus auroreus。

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08/12/2015

今日の野良鳥(12月8日)

 本八日未明来襲、とのニュースもあったが、またいつものとこで、いつものトリ。他に行くには短時間だし、ここなら、暗くて寒いけど、同じもんでも何なとは見られるし。
ヒガラ ヒガラ、Parus ater
エナガ エナガ、Aegithalos caudatus
メジロ メジロ、Zosterops japonicus。今日は余計なオマケが付いてきた。オマケの方が多かったけど。
ミソサザイ ミソサザイ、Troglodytes troglodytes。冬のミソサザイは撮る気にならんと言いつつ、今日も撮ってる。
 撮る気にならん大きな理由は、ミソサザイが冬の季語だから。ミソサザイの「旬」といえば早春の囀りなのになぜ、と思ったら、冬に人家近くにいるからだそうで、まさに「老人や病人が余技とし、消閑の具とするにふさわしい」俳句の世界だと思ったから。そんなんで、消閑の具としてトリを見てる方としても、今年のように早春の山中であまり撮ってないと、冬に人家近くで撮って載せるのは、何となく恥ずかしい。
ルリビタキ ルリビタキ、Tarsiger cyanurus。先日はおらんかった青くないのが、今日はいた。鳴かんし地味だしで、気がついたらもう水に浸かってた。
ルリビタキ ところが青くないルリビタキがもう一個体現れた。こっちは雨覆いの青みが全くない。この後、追っかけあい。新しく来たのか、以前から2つおって入れ替わりで現れてたのか、わからん。
ルリビタキ 青いルリビタキは、青くないのがいなくなってから出てくる。
キセキレイ キセキレイ、Motacilla cinerea
クロジ
クロジ
クロジ クロジ、Emberiza variabilis。これがいる間は、とりあえず行くアテがない時は、この山麓だろうな。



ソウシチョウ
ソウシチョウ
ソウシチョウ 今日はメジロと一緒に来たので、すぐには追い出すわけにもいかず、撮ってみた。

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05/12/2015

今日の野良鳥(12月5日)

 ぼちぼち他にも行こうかな、とも思うのだけど、今おるもんは冬中おるやろし、ゆっくりでもええか、と相変わらずの近場。同じもんしかおらんけど、行動にちょぼっとは変化がある。
ヒガラ
ヒガラ ヒガラ、Parus ater。ここんとこ、どこでも見る。
ミソサザイ ミソサザイ、Troglodytes troglodytes。この山麓のレギュラーメンバーで、いつも、そこらで鳴いてるんだけど、撮っても被写体ブレで歩留まりが悪いし、やっぱり早春にならんと撮ろうという気にならん。今日は苔の上に乗ったんで撮ってみたが、ちゃんと撮れん。
ルリビタキ
ルリビタキ
ルリビタキ ルリビタキ、Tarsiger cyanurus。いつもの青いの。青くないのは見なかった。他所に行ったんかな。
ルリビタキ ルリビタキもコムラサキを食うようだ。
クロジ クロジ、Emberiza variabilis。いつもいたのはこの成鳥♂と若い♂、♀の3羽だたけど、他にもおって増えてた。
クロジ
クロジ
クロジ 成鳥♂だけど、茶色味が残ってるという、よく見るパターンのクロジが、もう2羽おった。
クロジ 若い♂のクロジも2羽。たぶん上で半分隠れてるのが、前からいた方。

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01/12/2015

今日の野良鳥(12月1日)

ヒガラ
ヒガラ
ヒガラ ヒガラ、Parus ater
エナガ エナガ、Aegithalos caudatus
ジョウビタキ ジョウビタキ、Phoenicurus auroreus
アトリ アトリ、Fringilla montifringilla

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30/11/2015

今日の野良鳥(11月30日)

 一週間以上ぶりの山麓も同じもんばかり。でも、まだクロジがおったからいい。
ルリビタキ ルリビタキ、Tarsiger cyanurus。いつもの青いの。
ルリビタキ ルリビタキ、いつもの青くないの。
ジョウビタキ ジョウビタキ、Phoenicurus auroreus。もう珍しくもないし、山麓にいてもアタリマエなんだけど、開けたとこが好きなようで、ここで見るのは数年ぶり。
ウグイス ウグイス、Cettia diphone
クロジ
クロジ
クロジ
クロジ クロジ、Emberiza variabilis。餌を探す場所が少し変わったようで、やや遠いとこで鳴いとるけど、水にはよう来る。飛んで来はるんで、地べたバックより、どこぞに留まってる絵が撮れるようになった。

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24/11/2015

今日の野良鳥(11月24日)

シジュウカラ・ヤマガラ シジュウカラ、Parus majorとヤマガラ、Parus varius
シジュウカラ・ヒガラ・ツグミ シジュウカラとツグミとヒガラ、Parus ater
ツグミ ツグミ、Turdus naumanni。しばらく前からあちゃこちゃにおるけど、高いとこなんで、今期初撮り。

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22/11/2015

今週の野良鳥(11/17〜21)

 今週といっても、雨だったり、晴れた日に用事があったりで、雨の降る前と上がった後の用事前。先日来と同じ場所なんで同じもんしかおらんけど、多少、行動が違ってきてる。
ヒガラ ヒガラ、Parus ater。単独で来ることもある。
ヤマガラ ヤマガラ、Parus varius
ルリビタキ
ルリビタキ ルリビタキ、Tarsiger cyanurus。最近は青いのが、青くないのよりよく出てくる。
アオジ アオジ、Emberiza spodocephala。地べたの餌が少なくなったのか、枝になったコムラサキを食うようになった。
アオジ 近くで水に入るのは他から来る面々で、近くで餌を食ってるのは逆に他に行って水に入ってたのだが、アオジが水に入るようになった。
クロジ
クロジ
クロジ クロジ、Emberiza variabilis。ゴシャゴシャの中の餌が少なくなったのか、斜面に落ちてるのを食いだして、見えやすくなった。
クロジ クロジも水に入るようになった。
クロジ
クロジ
クロジ どうしてもクロジらしいクロジばかり撮るし載せてるけど、若いのや♀もおる。

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