うなぎ
先日、うなぎについての文を書く用事があった。その時に思ったのだが、蒲焼きにする時、関東は背開き、関西は腹開きにするということに対し、「江戸は武士の街なので、切腹を嫌った。上方は町人の街なので腹を割るのを良しとした」という説がある。
こういう「良くできた話」というのは、多くは後年のコジツケであることが多い。だって、江戸でも他の魚は腹を切るわけだし。
この「うなぎ」の話の以前にも、食べ物について、カテキンは「勝て菌に」が語源とか、サーロインは美味いのでサーの称号を貰ったというヨタ話を取り上げてことがあったので、調べてみようとした。
結局、関東と関西では蒲焼きの料理法が違う。関東では、切ってから料理するし、途中で蒸したりして、やわらかく仕上げる。頭も切ってしまう。関西では、頭も一緒に焼くし、1匹丸ごと焼いてから切る。切腹以上に斬首は嫌われるんじゃないかと思うのだが。焼くときも、外側からと内側からという差もある。
その料理法の違いで、おそらく背開きと腹開きの差が出来たのだろう、という予測は付いたのだが、じゃあ、関東風の焼き方では、なぜ背開きでないといけないかの説明が付かない。
それで知人に鰻屋の娘がいることを思い出した。正確には、知人の実家が鰻屋だったことを思い出したわけだが。
ところが、携帯のメールを出してみたら、「今飲んでる」という返事だったり、翌日「昨日、あの後、意識がなくなった」という返事が来たりで、捕まえるのに時間がかかり、そして、実家に聞いた返事が届いたのは、その文を出してしまった後だった。
鰻の料理法の違いは、もちろん好みの違いもあるだろうし、天然鰻しか使っていなかった頃は、関東のうなぎの方が泥臭くて固かったと、彼女のお父さんは言っていたらしい。それで料理法の違いはわかったけれども、なぜ、背開きはわからないままだ。
腹開きで関東風に焼き、背開きで関西風に焼いてもらえば、わかるのだろうか。一度、食べに行かないといけない。
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