アホとアホ芸
先日のアホ芸のエントリーに関連して。
有名なクイズだけど、この絵はバスです、さて、どちらに走っているのでしょう、というのがある。モニターに映ってるけど、紙に描いてあるとして。
さて、このクイズに対して「絵に描いたバスが走るはずない。止まっている」と答えたとする。こういう答えをする人をアホという。
出題者も回答者もそんなことはわかっていて、その状況の中で、クイズを出しているからだ。その状況判断をしなかったとして、何も面白くない。
例えば、血液型占い。こんなものを本当に信用している人はちょっと危ないと思う。けれども、私は、血液型占いの話に乗る。楽しむに値するフィクションだからだ。そんなもんウソに決まってると言っても何もならない。少なくとも、ウソだと説明してわかる判断力の人なら、最初から信用せずにフィクションを楽しんでいるからだ。
さて、「絵に描いたバスが走るはずない。止まっている」と言った人に対して、「それでも地球は回ってる」と答えると、これはアホ芸と認められる。
普通の生活で、地球の自転や公転を意識することはない。だけども誰でも知識として知っている。だから、地球が動いているなら、地球上の絵に描かれたバスも動いているということは理解できる。
でも、日常生活というのは、普通は天動説を状況として採用しており、太陽が沈む時には大きく見えるとか話をしているわけだし、その状況をあえて判断しないのは意外性があるし、何より、先のアホを相対化してしまうという効果があるからだ。
某巨大掲示板とかでは、前者のアホに対しては「空気嫁」とか書かれる。「釣れた」と書かれる場合、本来は後者の効果のはずなのだが、前者にもかかわらず、悔し紛れに書く「香具師」もけっこう多いようだ。
それで世の中には、このバスの問題みたいに単純な問題ばかりではない。だから、このアホとアホ芸の境目というのも実に微妙なのだ。そして、この微妙な境目がわかっていない人に、アホ芸を披露してもすごく疲労するだけで、喜んでもいただけない。かえって怒ったりされる。
このblogは世間に晒されているわけだから、たまにはアホ芸を見せないといけないのかな、と思うと同時に、世間に晒されているだけに、アホとアホ芸の境目が見えにくい話題は避けるようにしている。
でも、やっぱり書いてみたいことはあるわけだ。それで、書こうと思うネタを練る間に、こうやって、読み方まで書いている。
Commentaires
分かんない、どっちに走ってるんですか?
てか、なんで紙が傾いてるの?
Rédigé par: しのぶ | 14/04/2005 02:58
一応、正解は左に走ってるです。バスの扉は進行方向の左にあるからです。
紙が傾いているのは、「紙に描いた」というふんいき(なぜか変換してない)を出すためです。
Rédigé par: 南郷力丸 | 14/04/2005 03:36