オサレか羞恥プレイか
確か、こんな話があった。一部、うろおぼえです。
昔、あるところに、オサレが大好きな王様がいました。王様はこの世にふたつとない服も持ってくれば、いくらでも払うとおふれを出しました。さすが王様です。他の人と違う服が欲しかったのです。皆が持っているから欲しいというシモジモとは違います。
そんな、ある日、世にも珍しい服をお持ちしましたと、仕立て屋がやってきました。私が持って来たのはバカには見えない服です。そうして、箱の中から、一着の服を出したのです。
ところがです。王様にはその服が見えなかったのです。シモジモとは違うオサレな王様でもバカだったみたいです。でも、自分はバカだと気付かれるのは恥ずかしいので、何とか、どんな服かわかるように考えました。
「バカには見えない服」でぐぐって見ると1300件ヒットしました。イメージ検索だと3件です。そのうちの1件を参考に「わしには細くないか」と、おそるおそる尋ねてみました。すると仕立て屋は「はい、そのように見えますが、とても薄くて伸縮性の良い素材を使っていますので、フィットします。その上、装着感がなく、ナマと変わりません」と答えます。
周りにいた大臣たちも、実は服が見えませんでした。しかし、仕立て屋と王様の会話がヒントになり、おそるおそる聞いてみました。「色違いのも作れるのか、王様はオサレだから。」仕立て屋は答えます「ベネトンブランドには赤系、緑系もありますが、黒系に人気があるようです。」
こうした応答があって、王様達はどんな服か、だいたいわかって来ました。着てみると、なるほど、着た感じがしません。王様はたいそうにご機嫌になって、仕立て屋に莫大な報酬を支払った上に、お付きの小姓に命じて、仕立て屋のお世話をさせました。さすがに王様です。会話を通じて、仕立て屋が女官より小姓を喜ぶことまでわかってしまったのです。
王様のオサレな服の話は、城下にまで伝わります。国民も、どんな服か見たがりました。王様はその服でパレードをすることになりました。この服の話は隣国にも伝わります。隣国の王様は「そんな趣味の悪い服に金を払うくらいなら、うちの国の服を買った方がいい。」とか言っています。趣味がいいか悪いかは、国によって違うのですから無茶な話です。それに内政干渉です。
でも、いつ服を見たのでしょうか。バカでない工作員をお城に派遣していたのかも知れません。用心しなくてはいけません。
さて、パレードの当日です。王様のオサレな服を一目見ようと、人々が集まっています。その中を王様とSPを乗せたオープンカーが進みます。
その時のことです、群衆の一人がある子どもに尋ねました。「やあ,ネオ。王様の服はどうだい」。その子どもはバカだったようです「服なんか着ていないよ。モーフィアス。王様は裸だ」。子どもだからしようがないかも知れませんが、バカには困ったものです。
周囲の人たちの中には、バカな子どもはほっておけばいいのに、「あの服が見えませんか。そうですか。(プゲラ」とか「服が見えない香具師は氏ね」とか「王様の服が見えないバカ、ハケーン。」とか言っている人もいます。
さて、バカには見えない服があるんだから、バカにしか見えない服もあるんだろう。バカに見えない服を大勢の中で着ると「裸をバカに見られてる」と、かなり高度な羞恥プレイになる。
でも、バカの加減が違うと、オサレのつもりか羞恥プレイのつもりかが見分けにくい。
その上、世の中には許されるバカ、許されないバカ、微バカ、軽バカ、弱バカ、中バッカ、強バカ、烈バカ、激バカといろんなバカがいるので、バカの見分けも必要だ。
農村や上流階級だと、先祖代々過去帳一切のおつきあいとかもあって、お互いによく知っているということが多い。「あのうちは、公園の予定地にかかっていて、今、買収費用で揉めている」なんてこともわかる。
ところが、都市とかシモジモの場合はそういうわけにはいかない。回覧板もポストに入れるだけ。お味噌が足りない、醤油が切れたって時も、お隣に借りずにコンビニに行くから、おつき合いも希薄で、バカの程度がわかりにくい。
ここで、始めてblogの話になるのだが・・・・INTERMISSION
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