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18/10/2005

自称「伝統」

 和泉元彌がプロレスデビューするそうな。山脇元彌が和泉元彌と称するのは、和泉流「宗家」を自称しているからである。
 私は能が嫌いだ。狂言は嫌いではないが、ほとんど見ない。狂言師も、狂言をやっているのを見るより、祇園あたりで大蔵流の人が歩いてるの見かける機会の方が多いくらいだ。
 だから詳しくは知らないのだが、和泉流狂言というのは、山脇さんという人が、三宅さん、野村さんという人と始めて、代々、5・600年間やってきた芸能だそうな。そのうち、三宅さんの系統の弟子にも野村さんという人がいて、この人も代々、狂言をやることになる。「万」の付く野村さんは、こっちの系統だ。
 ところが、このうち三宅さんと山脇さんの系統が途絶えてしまった。そこで「万」の野村さんから、三宅さんちを継ぐ人が出て、さらに、その復活三宅さんちから、「宗家」の山脇さんを継ぐ人が出た。これが和泉元彌のパパで、節子の配偶者の元秀という人だ。
 だから、「宗家」と言っても、元彌の父親からのもので、昔の「イエ」制度の上での形式的なものであり、芸能の伝承とは無関係なものだ。芸能の「伝統」から言えば、三宅ー野村(万)ー復活三宅ー復活山脇と、和泉流の末端にあたるわけである。
 「和泉流600年の伝統」とか自称していても、そういうわけで、「伝統」を継承している人は他にいくらでもいるわけで、自称「宗家」が特別なもんでもないし、最近になって復活した「宗家」がなくても、また同じように復活させればいいだけのことなのだ。
 それだけに元彌や節子が「伝統」とかを持ち出すのは、滑稽なだけではなく、哀れでもあるのだが、プロレスの世界なら、その必要もないだろうし、頑張ってほしいもんだ。

 三重県で、地鎮祭に公金を支出するのは、政教分離の原則を定めた憲法違反だという訴訟があった。判決は、宗教行事であっても「伝統的」「慣習的」に行われ宗教色のないものは憲法違反に当たらないということだった。文化財や伝統行事には宗教を起源に持つものも多いわけだから、許容されないと困ることも多いだろう。
 ちなみに地鎮祭というのは「日本書紀」に記述があるらしい。「日本書紀」は8世紀に成立したらしいので、この頃には既に行われていたわけで。「伝統的」「慣習的」と言えるんだろう。首相が近代になってできた新興宗教に参拝するのとはワケが違うのである。
 三重県の訴訟を例に「神社」と称しているから、その参拝は「伝統」「慣習」と誤魔化すのは、由緒ある行事を借りて新興宗教を正当化しているわけで、元彌や節子が「伝統」とかを持ち出すのと同じような哀れさを感じる。

 さて、元彌は自称「狂言師」である。プロレスはタテマエでは「真剣勝負」ということになっている。相撲ほどかたくなに「狂言」を否定しているわけではないし、誰もが知っていることではあるのだが、やはり「狂言」はマズイだろ。
 それとも、プロレス界も能楽界同様に、元彌の芸を「狂言」と認めていないのだろうか。

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Commentaires

「和泉流二十世宗家」というのを特許申請したんじゃなかったんですっけ? 今や「和泉流二十世宗家和泉元彌」も「インリン様」や「高田総統」と同じリングネームになっちゃったんですね。
 狂言なのは、ハッスルだからまあいいんじゃないですか? 新日やノアだとまずいでしょうが(それ以前に新日やノアじゃ参戦させてくれないか)。

 伝統芸能を残すためにグループのまとめ役のような人がいた方がいろいろと便利で、それが「宗家」と呼ばれるもので、班長みたいなものです。穏便に周囲を納得させる班長の選び方にはいろいろあるけど、そのうちの一つの方法が「一子相伝」、というだけの話だと私は思うのですが、彼らは読み違えて今に至るんでしょうね。

Rédigé par: コバヤシ | le 18/10/2005 à 23:36

みちのくプロレスにこなかっただけ幸いと思っております(^^: そもそも高額ギャラ払えないからこないか・・・和泉さんはあまり身体が大きくなさそうだから、ジュニアが多いみちプロはサイズ的にはOKそうですがね。

Rédigé par: 龍 | le 19/10/2005 à 00:01

ネタか例え話かと思ったら、ほんとにプロレスデビューするんですね。
アホですね。
宗家騒動の時からアホを天下に知らしめていましたが、まだ足りんのですね。

Rédigé par: EMY | le 19/10/2005 à 08:49

 確か、特許じゃなくて商標登録だと思います。「和泉流二十世宗家」の他に「三宅藤九郎」とかも申請してたはず。「宗家」というのは商標のようですね。
 まあ、素人弟子からのあがりで食ってる芸能だと、免状の関係で「宗家」の価値もあるんでしょうけどねぇ。アイに喚ばれないなら、意味ないかと。
 市川「宗家」ってのもありますが、誰も堀越親子を「宗家」とか呼びませんな。昔、鶴澤友次郎という義太夫三味線さんがいて、この人も自分では「宗家」と言っていたそうですが、周囲は誰も呼ばず「ああ、そうけ」と言っていたとか。客対象の芸能じゃ「宗家」なんてそんなもんでしょ。

 プロレスじゃ、相手はやっぱりマスクマンかな。
 畑違いに進出するにしても、NHKのドラマじゃ大根でも演出でカバーしてもらえるけれど、やっぱりプロレスじゃ、それなりの見せる技術がないとやっていけないでしょうに。その意味じゃ、アホですね。

Rédigé par: 南郷力丸 | le 19/10/2005 à 19:01

乗り遅れた(汗)。
相手はマジなレスラーっぽいですね。

これ全然意図が分からないんですけど、
坐忘斎がリングに立つとか、それくらいの勢いで驚いた方が良いの?
コバヤシさんの記事では「干された」から、って書いてらしたけど
干されたくらいでプロレスに行くもんなんでしょうか?てかなぜプロレス・・・
これ終わった後どうするんだろう?
ゴージャス松野みたいなキャラになるのかな?

Rédigé par: しのぶ | le 20/10/2005 à 11:29

干されたというか、基本的には能楽協会に所属していないと能楽堂の舞台に立てないのですね。元彌は除名されてるので、能楽堂には出られません。じゃ、なんでプロレスかというとよく分からないです。単にオファーがあったからじゃないかなあ(笑) 私も最初は冗談かと思ってましたが、相手はケンゾーなので、一応本気らしいです。しかし、ハッスルだと特定のストーリー展開に沿った登場人物でなければならないので、そっちのほうが問題ですね。その点、インリンはすごいです。

Rédigé par: コバヤシ | le 20/10/2005 à 18:29

>>干されたというか、基本的には能楽協会に所属していないと能楽堂の舞台に立てないのですね。

うわ、干されたなんて生易しい物じゃなく死刑なんですね・・・、マジ怖・・・。
しっかしたとえどんなに熱烈なオファーがあったとしても、やって良いことと良くないことってあるじゃないですか。
それをやっちゃあ人生まるごと終了よ、っていうか。
もしかして、除名したのって大失敗だったんじゃないでしょうか?
生かさず殺さず残しておいた方が、こんな恥ずかしいことには・・・いやもう、本当に分からない・・・。

Rédigé par: しのぶ | le 21/10/2005 à 02:46

 えー、相手ケンゾーですか(*_*)
 へたに素人同士戦わせるとどっちかが大けがをしちゃうから、WWEで鍛えたプロとやらせる、っていうことなのかな?
 ケンゾーのセコンドにはヒロコがつくでしょうから、和泉元彌のセコンドには羽野晶紀がつくのかな?ゲイシャガールに対して、キョウゲンガールとか(^^:

Rédigé par: 龍 | le 21/10/2005 à 09:39

 死刑というより、首吊死体の足を引っ張る。。。という感じでしょうか。
 能楽協会に所属していないと能楽堂の舞台に立てない、といって、除名されてなかったとしても、立てるというワケではない。「宗家」騒ぎで、元彌の芸がどんな程度か知れ渡ったので、今さら、お座敷はかからんでしょう。
 これでプロレスでも通用せんかったら、残るのは、国会議員くらいしかありませんな。亀井チルドレンというのはいいかも。


Rédigé par: 南郷力丸 | le 22/10/2005 à 05:15

 対戦相手にされたケンゾーはやはり「なんでWWEのメインをはった自分が素人と・・」と納得していないみたいですね。「本気でぼこぼこにする」と言っているらしいので、どうなるのかなぁ・

Rédigé par: 龍 | le 22/10/2005 à 08:28

>>龍さん

私的には、あれはリップサービスじゃないかと思ったんですけど(笑)。
「うちの奥さんでも勝てそうだから代わりにやってもらおうか」とか
「対戦相手がお母さんだったら絶対受けなかった、殺されます」とか
笑いつつも棒読みっぽく言ってたし。

Rédigé par: しのぶ | le 22/10/2005 à 14:06

 強そうな浩子夫人で思い出しましたけど、モノを送るのは前の住所でいいんでしょうか?新しい局の方がいいでしょうか?
 ところで、ここ読んでるのかな。

Rédigé par: 南郷力丸 | le 23/10/2005 à 05:29

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 一部で盛り上がっている和泉元彌ハッスル参戦問題ですが、対戦相手が決定しました。 [Lire la suite]

Notifié le le 22/10/2005 à 18:10

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