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13/11/2005

しのぶ、すごい。すごい。

img016 しのぶと言っても、シダ植物でも福島の山でもなく、女優の寺島しのぶだ。最初に寺島しのぶの芝居を見たのは、かなり昔「近松心中物語」だった。主役と対比される、心中し損なう役。もはや記憶は定かではないが、その時に、寺島しのぶの表現力はすごいなと思った。彼女たちが心中し損なうシーン、まじめくさった演技で、笑わせながら、せつなさ表現し、主役達の劇的効果を高める役だった。母親は存在感の俳優、父親が表現力の俳優なら、姉の芝居は父親似、弟の芝居は母親似かとも思った。
 「ゲロッパ」という映画に、本筋とは無関係なひとつのエピソードに出ていたけれど、今、この映画の「空気」を思い出すと、この人の出てたシーンなのだ。
 そして、この「ヴァイブレータ」だ。
 ヒトコトで言えば「しみったれたメルヘン」。部分、部分で、「ある。ある。」と妙にリアル。淡々とした展開だが飽きさせない。
 相手役は松尾貴史を若くしたような人。オトコがよくわからないオンナに対する時、相手を探りながら、ある種の役割を演じながら接することってあると思う。そういう「演技」しているオトコを「演技」じており、彼の心境は描かれない。彼女にせいいっぱいのオトコの役割を演じているのが、彼の優しさだと、彼女を通じて語られる。
 そして、やっぱり、思うのは彼女の表現力のすごさ。
 例えば、最後の方に「すごい。すごい。」という台詞がある。最初の「すごい」に僅かの間隔を置いて、やや低く、ややゆっくり「すごい」。そして、彼女の笑顔。これで、この話を語っている。
 もちろん、この台詞だけでは映画にならない。要所要所で彼女の心境が字幕に出る。「彼を食べて、彼に食べられた。」「それだけのことだった。」この映画に描かれた彼女の体験はこのように字幕で説明される。それが最初の「すごい」に、そして、「ただ、」「あたしは自分が、いいものになった気がした。」と字幕では説明されている、体験を通じた彼女の心境が、次の「すごい」に込められているように感じられる。
 以前から「大きな芝居」のできる人と思っていたが、「細かな表現」もできる、その表現力の幅広さが、この映画を見てよかった映画にしている。

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Commentaires

yukariさんのところから飛んできました。私のご贔屓しのぶちゃんの記事にTBさせていただきました。
『ヴァイブレータ』は未見ですが、『赤目四十八瀧心中未遂』は観ました。演技の振り幅の広いこれからの楽しみな女優さんですよね。
これからもよろしくm(_ _)m

Rédigé par: ぴかちゅう | le 24/11/2005 à 23:19

 これからも楽しみなのはその通りに思うのですが、舞台では、かなり以前から注目されていたのに、最近まで映画に出なかったのは、なぜなのかなと思います。シゴトを選んでるのかな。

Rédigé par: 南郷力丸 | le 26/11/2005 à 00:29

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Notifié le le 24/11/2005 à 23:14

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