8人の女たち(8Femmes)

私は、映画に関する知識が極めて乏しい。この「Huit Femmes」でも、カトリーヌ・ドヌーブの他に聞いたことがある名前は原作のロベール・トマくらい。フランスの演劇のことも、ほとん知らないのだが、トマが60年代のブールヴァー劇の脚本家だということ、(ブールヴァー劇ということは脚本家というより戯作者といった方がぴったりだろうか。)それで、日本では「罠」がよく上演される、その程度の記憶だけがある。
つまり、トマというのはベタな芝居の作者なんだという思いがある。ベタと言っても、日本とフランスじゃ観客の好みが違うので、ベタの方向はもちろん違う。その、たぶんベタな原作を、きちんとベタな映画にしたということだと思う。といっても、ベタがいけないわけじゃなくて、気持ちのいいベタ。安心して楽しめるベタなのだ。
60年代風に作ってあるけれども、それがマニアックな感じとか、懐かしいだろうというような押しつけがましさではなく、むしろ、現代の感覚から見ての素朴さや素直さに感じられる。
たぶん、現代風の映画をきちんと作りあげる技術もある人が、素材を活かすために、あえてベタに作って、それがかえって今風という、いわばヌーベル・キュイジーヌという趣なのだ。
その素材の8人も、それぞれが単純なキャラクターで終わっていないのに、他の誰とも違う味であり、まず「出」で濃い味を出して、そこから複雑化していくわけだが、メイドや妻の妹のオールドミス役は見た目までガラッと変わるのに、きちんと統一感を持っている。
劇中の歌も至って素朴。それぞれの役に歌うシーンがあり、古くさそうな振り付けがしてある。インド映画的な唐突なもんじゃなくて、そういや、日本の60年代頃の時代劇でも道中シーンにこんなのがあったなという感じで、こんなベタなのも楽しいなと思わせる。
普通に考えれば、出ているのは「悪い」女なんだけど、そういう「悪さ」が、かえって人間的に素直だと思わせてしまう。
古い映画から、古さを取ったような、気持ちのいいベタベッタ・どんどんどどーん。。。だった。

Commentaires
リンクをたどってやってきました。
jamsession123goと申します。
jamsession123goもさっき、この映画を見終わったのですが、今ひとつよくわからなかったというのが正直な感想です。
TBさせていただきます。
Rédigé par: jamsession123go | 09/01/2006 21:08