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01/12/2005

北京原人・うぱー

img023 「北京原人 Who are you?」が公開8年目にしてDVD化された。
 名作「デビルマン」を世に出した東映特撮である。「デビルマン」が東映特撮の様式を正しく継承した「お約束」の名作だとすれば、「北京原人」は予定調和を許さない「約束違反」の名作である。美はただ乱調にある。諧調は偽りであるとするなら、いかに「デビルマン」が名作としても「北京原人」にはかなうまい。東映特撮の最高傑作と言ってよい。
 凡人の想像力では思いもよらない飛躍と、謎や疑問を一顧だにしない展開は、いわば、シベリアから万里の長城までを一気に驀進する超特急かマンモスにも似たスピード感と力強さを感じる。

注意:以降の文章には作品の内容に関する記述が含まれます。

 ファーストシーンは1929年、北京の南西50キロの周口店の発掘現場。そして日中戦争で頭蓋骨が行方不明になるまでの経緯が描かれる。ただし、北京原人は現生人類の祖先ではないが、この映画ではモンゴロイドの祖先という設定にしてある。そして何とこの設定は・・・・以降の展開に意味を持たない。
 突然、場面はスペースシャトルの打ち上げシーン。頭蓋骨の化石からDNA配列を読みとり北京原人を現代に復元するというストーリーなのだ。その研究リーダーがタンバ哲郎で、一方、シベリアで凍結死体から取り出したDNAでマンモスを復活させるプロジェクトのリーダーが佐藤ガジロー。
 はるかな宇宙空間ならともかく、地球の周回軌道で、その作業を行う意味や、マンモスも宇宙でやったんかとかが不明のままに、11日後に南西諸島に不時着したシャトルから、本田博太郎と小松みゆき、そして子供の驚くべき成長を遂げた3人の北京原人が現れる。
 この原人を捜しに来たのが緒形直人と片岡礼子。緒方直人は原人の警戒を解くために、咄嗟に裸になる。そして片岡礼子も。しかし、咄嗟と見えても実は事前周到に用意していたようだ。何と2人は目立たない肌色のパンツを履いているのだ。片岡礼子の小振りだが重力の影響を受ける乳に、脱ぐなら宇宙で脱げとツッこむ。
 そして現れた小松みゆきの北京原人の特殊メイクで現実感のなくなった巨乳と、片岡礼子の耳や乳を見比べ、キャスティングが逆じゃと、さらにツッこむ。でも、後々、見ていくと小松みゆきが原人の方が頻度が高くて良かったようだ。
 ともかくも、全世界にセンセーショナルに公開される場が「関東実業団陸上大会」というのは東映特撮らしいが、その会場から、子供の原人は中国の物と主張する中国政府に協力するテレビ局員ジョイ・ウォンらによって連れ去られ、後を走って追った本田原人とともに中華街の茶館に隠される。発見された時には、1mの岩も跳び降りられず小松原人に抱えて貰っていた子供の原人は、全く成長していないように見えても、茶館のバルコニー席から飛び降りるという素晴らし運動能力の成長を見せる。
 取り返そうと警察が出動し、どうなるかと思っていたら、あっさり帰って来たり、予測のつかない展開の末、本田原人と子供の原人は天安門広場を東に向かう車の中。
 どうやら、天安門の北西にあたる北京動物園に向かっていたらしいのだが、まず、故郷にということで周口店に向かう。しかし、周口店に現れたのは日本大使館の車。
 日本国内で取り返されることなく出国した原人が、なぜ中国で逃げなきゃならないかの謎を置き去りにして、原人2人と中国のテレビ局員は北京北方100キロの万里の長城まで走って逃げるのだ。素晴らしい身体能力だ。一緒にカメラを担いで逃げるテレビ局員も。
 長城で叫ぶ原人。その叫びに呼応し、シベリアで復元されたマンモスが、南に走り出す。周口店の原人たちは、全く学習しなくてもシベリアのマンモスを呼べるという本能を持っていたのだ。
 日本に残った小松原人も、緒形直人と片岡礼子によって脱出し、一行は軽飛行機を盗んで中国に向かう。
 かくして、原人3人は中国で再会し、ジョイ・ウォンと緒形・片岡が見守る中、マンモスに乗って立ち去る。
 このような、ココロ暖まるも強引なストーリーの中に、細かな謎や疑問が回答のないまま放置され、たっぷりとくすぐりが仕込まれている。
 豪華配役に制作に巨費をかけながら、公開当時には、こういうシュールなコメディは受け入れられず、興行成績は良くなかったそうで、DVD化まで8年を要したのも、そのせいだろうか。でも、この作品を見ずにおバカ映画は語れない必見の名作だ。

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