オペレッタ狸御殿
オダワラジョーは新幹線から見えたと思う。だから、何度となく見てると思う。でも、ほとんど印象が残ってない。オダギリ・ジョーも出演作をいくつか見てるはずなんだけど、やっぱり印象が残ってない。チャン・ツィイーもよく知らない。そんなわけで、オダギリ・ジョーとチャン・ツィイーという「オペレッタ狸御殿」は映画館に見に行かなかったし、DVDも出てもしばらく見てなかった。
つまり、期待せずに見たのだ。ところがこれが良かった。このあたりの経緯は「下妻物語」と一緒。そして、狙って作ったおバカ映画というところも一緒。
主役はオダギリ・ジョーとチャン・ツィイーなんだけど、映画を支えているのは平幹二朗と薬師丸ひろ子。この二人が無意味なほど大げさな芝居を繰り広げるのだけど、美術が舞台風なので妙にはまる。 舞台仕立てでも、こんなことやってみたら面白いかもと思っても、舞台じゃ絶対に出来ない映像ならではのお遊びというか、おバカなシーンが繰り広げられるのだけど、適度にエエカゲンでも、決して安易に流れないのだ。
そもそも、狸姫が何で唐の国からなのか。結果として中国語が混じるわけで、台詞も含め、音楽的な変化が出て面白い。たぶん、それだけなんだろう。でも、その効果は絶大。
花四天や御殿女中が4人組で、少女が3人組とか、妙に和洋折衷で様式的なので安心感がベースにある。だから、デタラメぶりが素直に楽しめる。
由紀さおりのひるぜん婆が死ぬシーンは最高。ケンで決着と言って、じゃんけんで負けて、バカバカしい歌を歌いながら昇天する。
主役2人は、1回、死にかけて、生き延びて、また死んで、生き返る。これだけでも、まともなストーリー展開じゃない。ダンスもテクニック的にはたいしたことない。だいたい「オペレッタ」に「狸御殿」自体が古くさい。でも、カラっと陽性に古くさい上に、平気で、その古さを壊してくれるので、かえって新鮮。
意味とかを超越した、おバカな世界の気持ち良さにひたれる。
この極楽カエル、欲しい。
でも、美空ひばりは余計かも。
Commentaires
TBありがとうございますm(_ _)m
>狙って作ったおバカ映画
っていうことだったのでしょうねえとは思いつつ、映画は鈴木監督に化かされたような感じでわけがわからなかったのですが、まあオフ会をしてからレディースデイの1000円で観たのですから、集まるきっかけもできたので文句をいうつもりもないんですが(^^ゞpokoponさんのブックマーク登録されている雑巾ダイアリーのyukariさんもご一緒してましたよ。
ただし、戦中・戦後の「狸御殿」シリーズの基礎知識を得ることができて今回の舞台観劇の予習にはなったのでよかったです。
またよろしくお願いしますね(^O^)/
Rédigé par: ぴかちゅう | 31/12/2005 00:13
なお、私は、病気療養中の猿之助に代わって、小狸のシゴトを確保した紫狸の方は観てません。
Rédigé par: 南郷力丸 | 31/12/2005 00:56
TBされた方の記事をよく確認せずにTB返しをしていてごめんなさい。gooブログって以前の記事に届いたTBがどれに届いたのかがわかりにくいのです。お知らせメールがくるのでそちらだと確認できるのですが...。
>紫狸
ですか、ハハハ。正確に言うと今回の舞台では狐の役でした。九尾の狐がとりついているんですよ。昨年『西太后』も観てまさに立女形のできる女優さんだと思いました。見得が決まるんですから、スゴイです。女性も年をとると女性らしくなくなるんですね。男性も年をとると男性らしくなくなるし、ホルモンが減るんだから当たり前ですが。
Rédigé par: ぴかちゅう | 31/12/2005 01:23