キング・コング
ナオミ・ワッツといえば、普通はマルホランド・ドライブなんだろうけど、私の場合は、やっぱり、タンクガールのジェットなのだ。やわらか戦車よりカックイイ戦車も出てたけど。
そのナオミ・ワッツが出てるというので、見たかったんだけど、行ったら上演時刻の都合や、たまたまタダ券があったりで、うぱーな駄作を見るはめになり、そのままにしてたのだが、やっとDVDで見た。
このナオミ・ワッツって上手い女優さんだと思う。何気ない表情や仕草に表現力がある人だ。そういう人が、おバカな映画で存在感を示してくれると、楽しい作品になる。
このキング・コングはエライとしか言いようがない。とにかく1933年の作品のリメイクらしいけれど、「表現」を現代の水準にしただけ。感動作にしようとか、現代性のあるテーマをなんて、余計なことは、一切していない。1933年のキング・コングというのは「ドラマ」というより「見せ物」だったと思う。その「見せ物」的なところに、すごく誠実なのだ。 だから3時間を長く感じない。何しろ、キング・コングのいる島に着いた頃には、既に1時間たっている。まだキング・コングは出てこない。でも、何か船のクルーに曰く因縁がありそうで、どうなるんだろうとワクワクさせる。結局、どうにもならないんだけど、雰囲気の盛り上げが巧い。
島に着いてからは、CG効果というよりも、よくこういうシーンを作ろうと思ったもんだと思う。肉食恐竜に追われる草食大型恐竜なんてシーンならありそうだけど、それを廊下状の谷や、崖っぷちでやったり、あげくは将棋倒しなんて「見せ物」として凄い。宙ぶらりんでのキング・コングとティラノザウルスの戦うシーンとかも、作る技術よりも、作ろうとする発想が凄い。
おなじみの、キングコング対飛行機のシーンでも、トップハッターズのカーチスO2Cを見せるアングルがいい。
1933年の、それも「見せ物」っぽい映画を忠実にリメイクしても、おバカな話にしかならない。それを、誠実に、丁寧に、、力を入れて作ってるわけだし、ナオミ・ワッツも極めてマジメに演じている。こういうプロフェッショナルの仕事が堪能できるのは嬉しい。
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