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23/10/2006

水清くして魚棲まず

 有名なトンデモさんに、言葉によって水の氷結に影響を与えるというのがある。さて、このデモンストレーションを九大のグループが日本物理学会で発表したそうだ
 それで、そういうインチキなデモンストレーションをする人が、なぜ国立大の教員でいてられるのか、また日本物理学会で発表できるのかという素朴な疑問が起こるわけである。それは、国立大学教員が簡単にクビに出来ると恣意的な運用のおそれがあるということ。さらに、物理学会で言えば「学会で発表するというのは研究者仲間に研究内容を知らせる」というだけのことで、一見常識外れの研究でも、まともな成果に結びつく可能性を排除しないためだそうだ。いわば、天才的な研究を排除しないため、紙一重も排除しないそうだ。
 なるほどなと思う。学術の擁護や発展のためのコストとして、こういうインチキが紛れ込むリスクも必要なんだと思う。
 さて、文部科学省が大学・短大教員の講義のレベルアップのため、全大学に教員への研修を義務付ける方針を固めたそうだ。これについては、左のblogリストに載せているうち、内田先生あんとに庵さんが反対意見を書いている。他にも把握しているだけだが大学教員が4人ほどいらっしゃるが、今のところ言及されていない。賛成意見はないようだ。
 こういった文部科学省の方針が支持されるためには、「これはひどい」という大学・短大教員が知られることが必要だということで思いあたったのが、ある公立大学の助教授。
 神武天皇のY染色体でトンデモさんとして有名になり、ご自分の妄想を根拠にジェンダーフリーを攻撃している方である。フランクフルト学派を陰謀団体かニャントロ星人みたいに言う方だ。ところが、この方、現政権の「教育改革」に熱心だそうで、つまり、あの奇矯な言説は一種の自爆攻撃による「大学教員研修」支援のつもりなんだろうか。
 確かに「水にありがとうと言うときれいな結晶になる」や「男女同室の着替えは更衣室不足ではなく教育方針」などという教員は問題があるだろうけど、あえて、こういう連中が紛れ込むのは、健全性を保つためのコストとして必要なんだと思う。
 学生にしても、例えば「KGBは秘密裏に人をガンに出来る薬を開発していて、こっそり注射していた」なんて言うトンデモ教員を信用しないし、むしろ「突っ込む」ことによって、批判や検証という科学的な手続きの訓練という教育効果というのもあると思うのだが。
 研究ならともかく、教育には「天才」より、紙一重でも、それはそれで「使いよう」があるかもしれない。

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Commentaires

 うわ,いつの間にこんなことに。
 ただ,最近の学生って「役に立つ・立たない」でしかモノを見ない人は明らかに増えてますね。「役立たせる」ってことは考えないの。あまり役に立つ・立たないだけでモノを考えるのも卑しい感じがしますが,周りのオトナもそうだからなんでしょうね。
 「イイ男がいない」って文句は垂れるけど,「イイ男にする」てことは決して考えない酒井某みたいなもんでしょうかね。

Rédigé par: コバヤシ | le 24/10/2006 à 00:44

 「役に立つ」スキルって、陳腐化も早いと思うのですが。労働力の流動化とかで、「役立たせる」スキルを持った人材を少数確保し、後は「役立つ」スキルの人材を使い捨てようという風潮なんですかねぇ。
 酒井某って誰と思ってぐぐったけど、何となく中谷臭がする。
 都合の「イイ女がいない」って文句を垂れず、都合の「イイ女にする」のは、千年前はよくても、今は犯罪みたいです。

Rédigé par: 南郷力丸 | le 24/10/2006 à 23:29

例のヒデジならたしか教授では。
個人的にはヒデジの場合妄想というよりも宗教信条(アワワ

Rédigé par: 瑠璃子 | le 27/10/2006 à 13:28

 宗教信条かどうかはともかく、「教義」を宗教概念を使わずに説明するとトンデモさんっぽくなるのは確かですね。

Rédigé par: 南郷力丸 | le 27/10/2006 à 20:25

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