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13/12/2006

それより米に認証を

 農水省がアメリカで「正しい和食」認証制度を検討しているとか。産経や東スポにしか載らない記事の場合は、そのまま信用するわけにもいかないし、「実は」ということも多いのだが、事実とすれば、余計なことを、という感じだ。外国の食文化について、「正しい」と認証することに、どういう意味があるんだろうか。
 その昔、日本で、特別なサービスを伴う個室付き浴場をトルコ風呂と言った。でも、トルコの青年が、こういう施設に「トルコ」を冠するのはヨクナイとか言い出して、名称が変わった。女体盛りのサービスのある料理店を「日本料理店」と言ってるから、それに抗議するとか言うならともかく、日本の料理にヒントを得たジャンルを「日本料理」や「和食」と言って、どういう不都合があるんだろうか。
 昨日は沖縄料理を食べた。美味かった。調理してくれたのは沖縄の人じゃない。だから「正しい」かどうかはわからないし、気にもしていない、美味けりゃいい。どうしても「正しい」のが良ければ沖縄に行けばいいんだし、気候の違う今の時期だと「正しい」より美味いアレンジがあるはずだ。民俗学者でもないのだから「正しいか」より「美味いか」の方が重要なのだ。
 それ以前に「和食」という概念からは、何をもって「正しい」かなんて決められるはずがないのに。私の場合、冬には、じゃっぱ汁、けの汁、きりたんぽ鍋を作る。決して「正しい」青森料理でも秋田料理でもない。「正しい」じゃっぱ汁を作ろうにも、タラの内臓なんて近所じゃ入手不可能だ。で、この「正しくない」料理は、「正しい和食」なんだろうか。
 日本で一般的に「和食」と認識されている範囲の食文化を認定するなら、日本で認証制度を作ればいいだけだ。外国で作ることもない。その場合、米については天日干しであることを条件にする。牛肉も大豆も国内産原料に限ることにする。
 農水省の指導によって、コンバインで刈り取って機械乾燥させた米よりも、米作農家が「味が違う」と言い、少なくとも自家消費用には行っている、はざがけして天日で乾燥させた米を使った方が、「正しい」日本のコメだし、正しい和食の条件だろう。

 なお、写真は昨日に行った沖縄料理店じゃありません。踊りがないと「正しくない」わけでもありません。
琉球舞踊 

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Commentaires

ご意見には賛成できません。
「日本の料理にヒントを得たジャンルを「日本料理」や「和食」と言って、どういう不都合があるんだろうか。」
大いに不都合ですね。
中国製SQNYを「SONYにヒントを得て作った製品なのだから「日本製品」と言って不都合はない」とお思いでしょうか。デタラメやインチキを放置するのは詐欺の片棒を担ぐようなものです。

外国人が「これは日本にインスパイアされた自国の料理である」と認識して日本風料理を作るのは何も問題ありませんし、むしろ結構なことでしょう。日本でいえば「ココイチのカレー」をインド料理と思って食べる人は、まあいないはずです。

問題は、インド料理屋を名乗りながら「ココイチカレー」レベルでかけ離れた料理を出すことです。これはおかしなことで、インド人やインド政府が「それは違う」と言いたくなったとしてもそれが当たり前です。
残念ながら海外で「日本料理店」と称している店の多くがデタラメな和食もどきを出し、客はそれと気付かず食べているようです。日本料理の、大きく言えば日本文化と日本国のブランドイメージを守るために「日本人が認める日本食」の基準を示すことは必要だと考えます。

Rédigé par: 玄倉川 | le 14/12/2006 à 01:00

 サンケイwebの記事だったので、事実かどうかは保留してたのですが、農水省のサイトにも記事があったので、事実のようですね。日本フードサービス協会の人たちが「和食」の基準を作るそうです。
 日本では「ココイチカレー」レベルでなく、「インドカレー」であっても、ビーフカレーをインド料理と思う人はいないでしょうね。それはインドの国民の大半が、原則的には宗教的禁忌から牛肉を食べないという「情報」があるからであり、「インドカレー」と言っているのは、英国とさらに日本でアレンジされたようなシチュー的なルウによらずに、香辛料を独自に調合した場合に言うわけで「インド風の」という意味にすぎないからと理解しているからでしょう。
 海外の「日本料理店」に行ったことがないもので、「日本人が認める日本食」でないものがどのようなものかはメディアを通じてでしかわかりませんが、現地の人には受容されているから存在するのでしょう。そういう「日本風の調理法を取り入れただけの料理」を「日本の料理」と同じものと思いこんで食べている人がいるのなら、それは、日本に関する情報不足ということであり、関心不足ということでしょう。日本のナポリタンは誤解されないから許容できるが、国外での日本料理は誤解されるので許容できないというのは、情報の不均衡の問題であって、農水省が認証することで対処できるような問題じゃないでしょう。
 文化というのは、異文化の中では変形されないと受容されないのはよくあることですから、少なくとも独自の文化を守りたいのなら、規範的な部分、つまりは国内における、各地の料理の規範を尊重することであって、その水準を下げかねないことをしない方が、国外で最低の基準を示すよりも有効だと思います。
 私としては、文化は、その文化内での価値観でトップの水準が確保されていれば、底辺が乱れたっていいと考えていますので、工業製品のように、最低品質を定めるのは余計なことだと思うわけです。衛生面での問題は現地が対応すべきであって、日本の農水省の仕事じゃありません。義太夫や長唄の名人がいれば、プロレスラーの狂言を日本の伝統芸能だと思う人がいても別にいいんです。こと文化に関しては、「本物」を味わう資格は、自ら努力をする人だけでいいという、ある意味で差別的な考えを持っていますので、単に最低基準を満たしているだけのものに「お墨付き」を与えるのは、かえって余計に思うわけです。
 普段に食べる中華料理は日式料理でも美味けりゃいいし、中国政府が日本で「中華料理」の最低基準を示してくれる必要はない。けれども、中国国内では魯菜、川菜、粤菜など各地の料理の特色をきちんと守ってくれて、優秀な調理人を認定するとか、オリンピックをするからと欧米の食材への禁忌に迎合するような政策をとらずにいてくれた方が、異文化体験の可能性を担保するにはいいということです。

Rédigé par: 南郷力丸 | le 14/12/2006 à 07:01

うちの近くにそば粉クレープを出すフランス料理屋があるんですが、その店のオーナーはフランス人で、なんでも店を出すきっかけになったのは原宿のクレープを食って、こんなのクレープじゃないと頭にきて「本物のクレープを教えてやる!」と思ったからだそうですぜ。でも原宿やらどこやらのクレープ屋にフランス政府が文句を言った話は聞きませんな。あんなに世界遺産に登録しようとするほど自国の料理に自信がある国なのに。
それはさておき、私の家族はブラジルで日本料理屋やってますが、別に日本で修行してないんですね。だからそういう意味で日本料理とはいえないのかもしれないけど、あるもので工夫した結果が日本で行われている最良の手段と同一だったりするから不思議ですな。日本人の血なんですかねえ。ちなみに現地では日本料理屋が乱立してなかなか経営は苦しいです。でも「あそこは日本人がやっている」と妙なブランドにもなったりしていたりします。

Rédigé par: 瑠璃子 | le 14/12/2006 à 07:23

ええーワタシがいつも食べてるキムチ付きの日本料理は、日本料理じゃないのー? じゃあどこへ行ったらホントの日本料理食べられるのー?
という人にとって認証制度はよいガイドになるでしょう。
気にしない人は気にしなくてよろしい。でも、
http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/13/aa/0eb16820e19297db49a756b3a11242b4.jpg
がトラディショナルなジャパニーズスシですって思ってる人見たら、
「それはちょっと違いまーす」と言ってあげたい。
農水省が代わりに言ってくれるならありがたーい。

Rédigé par: emanon | le 14/12/2006 à 08:15

横やり失礼します。
emanonさんにお聞きしたいんですが、日本で食べているフランス料理って高級なところでも無い限り、日本人が日本で修業して作ったフランス料理を日本風にアレンジしたモノで、フランス懐石なんてだすところもありますが、現地人にしてみたら噴飯物らしいですよ。そういう料理に対してフランス政府が「世界遺産に登録しようとしているんだからまがい物をだすな」と抗議してきたらどう思います?粛々と伝統的フランス料理(味濃くて脂っぽい)をおしいただきます?
ちなみにブラジル料理を日本でそのままだしたらやはり受けないでしょうねえ。こっちでブラジル料理食べましたけど、味が全然違いました。

Rédigé par: 瑠璃子 | le 14/12/2006 à 08:28

 自国の料理に自信があるから、教えに行かなくても、学びに来ると思ってるんでしょうか。
 それはさておき、「あそこは日本人がやっている」という日本料理店が一種のブランドになるのは、日本でフランス人がやってるフランス料理店がそうなるのと同じでしょう。ただ、修行したアフリカ系フランス人がやってる店より、白人だが素人の英国人がやってる店の方が人気になるってこともありがちですね。

 emanonさんリンクのものがトラディショナルなジャパニーズスシですって思ってる人見たら、何か違うと言ってあげたい気はしますが、ならば?となった際に、最もトラディッショナルな鮒鮨を紹介すべきか、比較的に新しいけど普及している握り寿司だけを紹介していいものか迷います。さらには、どの範疇を「スシ」というのか、残念ながら教えてあげるだけの知識がありません。

Rédigé par: 南郷力丸 | le 14/12/2006 à 11:48

 その後、調べてみたら、この制度にはモデルがあるようです。http://www.jetro.go.jp/jetro/offices/overseas/fr_paris/info.html
http://www.jetro.go.jp/france/paris/jetro-missions/restaurants-japonais.html
下のページからは、フィガロ紙のインタビューもリンクしていて、こちらには「余計なこと」という印象を持たずに、そういうサービスへの需要もあるかという印象なのです。その差は何だろうか。
 農水省とジェトロに対する評価の差か。委員会の構成による印象の差か。相手国の文化への敬意の差なのか。ともかくも、ジェトロの場合は「試験的実施」と言ってるわけだから、その試験への評価をき待ってからでもいいと思うが。

Rédigé par: 南郷力丸 | le 14/12/2006 à 14:41

恋愛や商品購入などで「第一印象がすべてを決める」という考え方があります。
これが常に正しいわけではないでしょうが、それでも第一印象は大事だと思います。
日本について充分な情報を持たない外国人が初めて入る日本料理店、初めて口にした和食がでたらめなまがいもので、そしてそのことにずっと気付かないとしたら残念なことです。仮に彼(彼女)が「韓国風味噌汁」「中華式刺身」を気に入ったとしても(その可能性は低いと思いますが)、それは誤解ですから私は日本人として悲しいですね。

それと、私は「トップの水準が確保されていれば、底辺が乱れたっていい」とは思いません。
自分がトップの水準に近づけない貧乏人なのでトップより底辺の水準ほうがずっと身近で大事です。
日本食が受け入れられている国の多くは高度大衆社会なのですから、普通の人たちが口にするレベルの和食を底辺と見なしてエセ日本料理の横行を放置するのはどうかと思います。トヨタ自動車にしても、アメリカでいきなりレクサスのような高級車を売り込みはしませんでした。一般庶民にカローラを売り満足してもらい何台も乗り継がれたあとでレクサスの成功があるのです。

「普段に食べる中華料理は日式料理でも美味けりゃいいし、中国政府が日本で「中華料理」の最低基準を示してくれる必要はない。」
これには完全に同意します。
しかし、中国人(中国政府)が日本で「正しい中国料理認証制度」を作ったとして嫌だとか余計なお世話だとはまったく思いません。むしろ彼らが自国の食文化に誇りを持ち守ろうとすることを好意的に受け止めます。「日本式ラーメンを作るな」とかネガティブな干渉をしてきたら怒りますけれど、「(彼らの基準で)立派な店を表彰する」ことに文句は言いません。

「なにも日本政府が税金でやらなくてもいい」という点は私もそう思いますが、他にやる組織がなければ政府がやってもいいでしょう。公正な判定ができるのかとか予算はどれくらい使うのかとか気になりますけれど、それより何より海外でエセ和食もどきが横行し日本のイメージが損なわれることが私には腹立たしくてなりません。

Rédigé par: 玄倉川 | le 14/12/2006 à 20:10

瑠璃子さんへ。

日本が海外でやろうとしている認証制度はダメな店に文句を言うようなものではありませんよ。
もし「原宿やらどこやらのクレープ屋にフランス政府が文句を言」うようなネガティブキャンペーンなら私も「ちょっと待て、逆効果だろ」と思いますが。
認証制度はあくまでも良いお店、まともな日本料理を出してくれるお店を認定するものです。

ゴールド免許が導入されたからといって、普通の免許の人が運転できなくなったり肩身が狭くなることがないのと同じです。というか、そもそも日本料理店を開くのに免許はいりませんし。

Rédigé par: 玄倉川 | le 14/12/2006 à 20:16

 ジェトロの場合なら「余計なこと」とは感じなかったことで、玄倉川さんとの分岐点らしきところは、おそらく、農水省が行おうとしていることを、玄倉川さんは、かなりの水準の店を推奨する制度、私は低い基準に達しているだけで認めてしまう制度と感じているからじゃないかと思います。
 ジェトロの場合、「authentique」を「推奨」すると書いています。農水省は「本来の」「正しい」を「認証」すると書いています。この僅かの差も、私がジェトロの制度に感じなかった「余計なこと」という印象を農水省の制度に感じた要因です。
 私がこのblogで何を「推奨」しようが、誰もが勝手と思ってくれるでしょうけど、「認証」したら、余計なことだと反発する人もいるでしょう。
 ジェトロの方では、「日本食の調理方法、歴史、日本食文化等の紹介やこれらに関する質問にきちんと回答できる者がいる」と、どのレベルかはわからないのですが、国内の「和食」チェーンの店でも推奨を受けられるかどうかという項目が評価基準のひとつだし、推奨する主体は「公正・中立」に配慮が伺える日仏の委員からなる委員会のようで、フィガロ紙のインタビューでも、伝統的な日本料理を進めたいことを主目的にあげています。
 一方、農水省の制度は、そこまでの具体的な内容が不明ですが、「食材や調理方法など本来の日本食とかけ離れた食事を提供しているレストランも数多く見られます。」という「底辺」が問題意識であり、農水省や松岡大臣への印象だけで「低い基準に達しているだけで認めてしまう制度」と感じたことは否めません。
 なお、文化的にトップ水準であることが、必ずしも高価であるとは思いません。

Rédigé par: 南郷力丸 | le 14/12/2006 à 23:13

国に「正しい」なんたらと言われると確かに「てやんでぇ、べらぼうめ」という気持になりますね。

私は「正しい」の意味を「平均的日本人の8割が納得できる味・値段・雰囲気」と想像しました。
これは基準として低いかもしれませんが(2割は納得しないわけだし)、海外では仕入れや従業員教育に困難があり完璧な和食を安定して提供するのは困難でしょう。
私は貧乏舌なので海外で日本の「夢庵」や「白木屋」レベルの料理が(適当な価格で)食べられたら満足しますし、その国の人にも勧められます。

農水省は認証制度の検討を始めたばかりですから、意見を送れば認証レベルを高くする(あるいは下げる)こともできるはずです。
http://www.maff.go.jp/gaisyoku/kaigai/index.html

Rédigé par: 玄倉川 | le 15/12/2006 à 01:18

>日本が海外でやろうとしている認証制度はダメな店に文句を言うようなものではありませんよ。

確かにダメな店に文句を言うシステムではないようですね。現状では。ただ結果そうなりはしないでしょうか。良い店を認証するということですが、なにをもって良い店とするのかについて私は非常に疑問を持っています。
一例を挙げるならば、私の叔父はブラジルにて日本料理をやっていますが、とても

>日本の「夢庵」や「白木屋」レベルの料理が
>(適当な価格で)食べられたら満足しますし、

とはいえないシロモノです。なぜならしょうゆや米の味がまったく違うので、そのレベルにすら到達できません。でも創意工夫でなんとかその味に近づけようとはしています。しかし反面ブラジル人が日本の味を求めているのか、というとそうでもないわけです。彼らは、彼らの口に合う日本料理を求めています。結果私が現地の叔父の店で食した日本料理は日本人が作りながらも日本風料理といわざるをえない状況です。食材も違いますし(手に入らないし)ブラジル人好みにしなければ客は入らず、店が立ち行かないわけですから。
以上の状況を見ると、叔父の店はとても「正しい和食」認証はもらえないとおもいます。日本人なのに「正しい和食」認証をもらえないということはかなり差別的であると私はおもいます。
また農水省の資料をざっと見る限り、どうやら思惑としては「正しい和食文化の喧伝」というよりはこれを機会に輸入項目を増やそうといった「下心」の意味合いが強そうなので、そういう意味でも建前通りにことが運ぶのかといった疑問もあります。

上記内容により、大変失礼ですが玄倉川さんは非常に希望的観測、ちょっと農水省の建前を信じすぎていらっしゃるのでは?といった気もします。このあたりは私が性悪説過ぎるのかもしれませんね。陰謀論者ではないつもりなんですが。

Rédigé par: 瑠璃子 | le 15/12/2006 à 10:10

 農水省の会議資料では、今後、8年間で3倍にするなんて目標を掲げています。ということは、日本製素材の使用が認証の重要な要件になることは容易に想像できます。
 国内産農産物の弱点が高価格ということから、日本でも国外でも、金があれば国内産、貧乏人は外国産ということで、食べられる農産物の格差をグローバル化することで、国内農産物の競争力を高めたいのかと思ってしまうわけです。
 ブラジルと言えば、国内で販売されている安価な鶏肉はブラジル産が多いようです。日本人が日本の鶏肉を、ブラジル人がブラジルの鶏肉を食べるということではなく、両国とも、富裕層が日本の鶏肉を、貧困層がブラジルの鶏肉を食べるようにする。流通手段の発達した状況では、きわめて合理的な体制を進めるためなのかという感を強くしています。
 余談ですが、アメリカ産の牛肉は、日本産のふぐよりはるかにリスクが低く安全、というような科学的で合理的な考えを普及したい日本フードサービス学会の方も有識者会議の委員ですから、おそらく文化的ではなく、合理的な発想で検討が行われるのではないかと思います。
 ジェトロの推奨制度の委員に入っている「相手国の人、食べる側の立場の人」が、農水省の有識者に入っていないのも不思議なことです。
 日本料理の「authentique」な考え方のひとつに「地の物を活かす」というのがあります。瑠璃子さんの叔父さんの場合はマーケティングや価格面から「地の物」を使っているわけですが、そういう「日本的発想料理」は、この制度では認証されない可能性は高いと思います。その一方で、日本製の味噌や醤油を使っただけの「薄味回鍋肉」のようなシロモノや、半調理済品を日本の工場から送って現地で加工しただけのアメリカのファーストフード的発想のものが認証されるような基準だって出来てしまう可能性はありますね。後者だと日本人の8割くらいは「国外ではしようがない」と納得するかも知れません。私も、そういう「日本食」があっていいと思いますし、場合によっては食べるでしょう。けれども、現地の物の美味さをどう引き出すかという発想の方が、日本の食文化に忠実だと思います。
 「日本の食文化」の様々な要素の中の一部分だけを基準に選別して「正しい」と「認証」するのは、日本料理を「ヘルシーな魚料理」というイメージだけで捉えるような誤解を、かえって招かないかと思います。国外では厳しいような基準を明らかにして「推奨」する程度のサービスならいいのですが。

Rédigé par: 南郷力丸 | le 15/12/2006 à 13:03

>瑠璃子さんの叔父さんの場合はマーケティングや価格面から
>「地の物」を使っているわけですが、

叔父の店で飯を食っていると必ずといってもいいくらい「その魚はシーラカンスだ」とか「この鮭はアマゾン川でとれた」などといわれました。それを若干本気に仕掛けるぐらいの年齢で現地滞在していたのでいまは状況が変わっているかもしれないという断り書きは述べておきます。

なおブラジルでも一応「日本」という名のジャパニーズ米もどきがありまして、叔父の店ではそれを使ってます。名前だけで中身はなんのことはない長粒米ですけども、袋には鶴と赤い丸が描かれていて、これが日本人のイメージなのね、と実感した次第です。

Rédigé par: 瑠璃子 | le 15/12/2006 à 14:03

 ブラジルの日本料理だけじゃなく、日本の和食も変化するんでしょうね。
 新渡戸稲造が、江戸時代の武士の価値観を、外国人に食べやすいようにアレンジして紹介した「武士道」が、社会制度を近代化した日本にもかえって食べやすく、逆輸入され、日本の伝統的価値観と思われてますからね。
 世界中のマクドで育った人たちには、正統的和食より、国際的和食が好まれてもしようがないし、現に日本の居酒屋では、キムチと刺身を一緒に食べるのは日常的ですね。それを「日本料理」と認識しない情報を持っているだけの差で。
 ちらし寿司は日本料理で、ピビンパは韓国料理。どちらも、日本人はかきまぜずに食べて、韓国人はよく混ぜて食べる。よく混ぜたちらし寿司や混ぜないピビンパは「正しくない」のでしょうか。
 食文化というのは、結局は、ユーザーの関心や主観が大というところがありますから、国が関与するなら、ユーザーへの情報提供を促進することが最優先という気がします。

Rédigé par: 南郷力丸 | le 15/12/2006 à 15:08

>食文化というのは、結局は、ユーザーの関心や主観が大というところがありますから、

それでいうとかき混ぜる寿司をうちのほう?では「ちらし寿司」っていいますね。
永谷園の影響でそうおもっている人も多いかも。
東京神楽坂には自称「俺がちらしを考案したぜ」っていう店がありますが、
そこは混ぜないちらしなので行ったことないんです。
混ぜるほうのちらしは大好き。混ぜないほうは苦手。

Rédigé par: 瑠璃子 | le 15/12/2006 à 15:14

瑠璃子さん、失礼ながら私には
「日本人なのに「正しい和食」認証をもらえないということはかなり差別的であると私はおもいます。」
という感覚のほうが差別的に思えます。料理を作るのが日本人であろうと韓国人だろうとパキスタン人だろうと、基準(まだ決まってはいないようですが)を満たす料理・店作りであれば認証し、それに足りなければ認証されないのが公正なやりかたです。
もし農水省が「日本人には甘い基準で認証を出し、外国人の店は厳しくチェックする」ようならそれこそ差別問題になりますよ。

叔父さまの店が認証を受けることを望んだとして叶うかどうかわかりませんが、お客様に味とサービスを認められていれば認証があろうとなかろうと商売に影響が出るとは思いません。仮に「認証」を受けたライバル店が現れたとしても、お客は自分の好みと懐具合によって店を選ぶでしょう。
日本で「町の洋食屋さん」と「高給本格フランス料理」のどちらが多くの人に愛されているでしょうか。何もすべての店が「本場の味」を目指す必要はありませんし、自分の腕に自信があればアレンジした料理を出すことに引け目を感じることもないはずです。

和食認証の基準に「日本産農産物」が入るかどうかはまだ決まっていないようです。
私自身は「日本産」にこだわる必要はないと思ってます。必要なのは何より味、そして調理技術であり、できれば「日本文化への敬意・愛情」を持つ店が選ばれるような基準になることを望みます。

Rédigé par: 玄倉川 | le 15/12/2006 à 20:16

「ちらし寿司は日本料理で、ピビンパは韓国料理。どちらも、日本人はかきまぜずに食べて、韓国人はよく混ぜて食べる。よく混ぜたちらし寿司や混ぜないピビンパは「正しくない」のでしょうか。」

韓国人が「その食べ方は間違っている」というのなら間違っているのでしょう、きっと。
私は「だから何?」と思います。
ですが「余計なおせっかいだ」とは思いません。「教えてくれてありがとう」「でも俺は俺の好きなように食べるよ」と言います。
仮に「正しい食べ方」を強制されるのであれば怒りますが、「あなたの食べ方は違う」と言われても気にしません。
たぶん、根がわがままな性格なのでしょう。

Rédigé par: 玄倉川 | le 15/12/2006 à 20:25

 農水省の基準がまだ出ていないのですから、予測される最悪の基準と期待したい基準を、それぞれ念頭においての論議になって、結論は出ないでしょうね。
 なお、ジェトロのケースでは新聞が日本人以外を排除することにならないかという質問に対して、明確に否定していますね。
 基準の「日本語の話せる者」や「メニューの日本語」も余計かと思ったのですが、国外で日本料理の高度の理解のためには、日本語でしかない情報の入手も必要だし。現に日本人のフレンチ・シェフはフランス語を勉強して理解してますし。必要な項目なんでしょう。

 基準を作るにしても「味」は評価が難しいでしょうね。顧客の嗜好は日本の客と違って当然なので、日本人が好む味を基準にするわけにいかないし。「素材の味を引き出し調和させる」という日本的手法と、どういう味覚を美味いと感じるかという現地の嗜好を組み合わせている、ということになればいいのでしょうが。

Rédigé par: 南郷力丸 | le 15/12/2006 à 22:10

>確かにダメな店に文句を言うシステムではないようですね。現状では。
ダメな店に文句を言うシステムでなきゃいいんじゃないですか。
「何言ってやがんでコンチクショー、うちにはうちの流儀があるニダ」って店はそれでよろしい。
きっと「やっぱスシにはキムチがついてないと物足りないわねえ」ってお客が支持してくれるでしょう。

>ただ結果そうなりはしないでしょうか。
それならそれでいいんじゃないですかね。というかワタシとしてはそうなって欲しい。
でもそれを決めるのは農林省でもワタシでもなく、アメリカのコンシューマーなわけでしょ。
それは正しい「淘汰」というやつじゃないですか。

>なにをもって良い店とするのかについて私は非常に疑問を持っています。
もし農林省の「基準」が人々に受け入れられないものであるのならば、この「基準」が淘汰されるでしょう。
要するに見向きもされない。ならばカリカリする必要はない。
もし農林省の「基準」が妥当なものであってアメリカの人に受け入れられるものならば疑問も氷解でしょう。

Rédigé par: emanon | le 16/12/2006 à 08:48

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海外における「和食の認証制度」に反対する人たちの意見をいくつか。 pokoponにっき : それより米に認証を 昨日は沖縄料理を食べた。美味かった。調理してくれたのは沖縄の人じゃない。だから「正しい」かどうかはわからないし、気にもしていない、美味けりゃいい。どうしても「正しい」のが良ければ沖縄に行けばいいんだし、気候の違う今の時期だと「正しい」より美味いアレンジがあるはずだ。... [Lire la suite]

Notifié le le 14/12/2006 à 01:39

» 和食認定制度なんてばかばかしい [WHAT'S NEW PUSSYCAT!?]
農水省がまたぞろくだらん制度を考えているようだ。(産経記事参照) またアレな飛ばし記事かと思いきやどうやら農水省のHP見る限りでは本当のようで、お役人さまはどうも暇でいけない。 知ってる人は知ってるが私の家族はブラジルにて日本料理屋をやっている。別に日本で修行したわけではなく、現地で日本人から習った上での開業である。そんな胡散臭い経歴でも、例えばとんかつを作るとして、家族で試行錯誤した挙句、生パンを細切りしたのを使ったりするなど、一応美味いとされている方法に行き着いたりしているから不思議だ。今は衛星... [Lire la suite]

Notifié le le 14/12/2006 à 12:16

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