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15/12/2006

美味しい国

 先日のエントリーでは日本料理の認証からみで、真面目なコメントが続いているので、おちゃらけの話は別エントリーに。
 結局、どこの地域のものでもそうだが、料理のように複雑な文化的背景を持つものを、簡単に「正しい」と「認証」しようとすることが、余計なことと思うわけである。
 面積的にはともかく、稚内から波照間までの距離でも、近世以前の江差から佐多岬までの距離でも、日本文化の範囲てのはけっこう広い。正しいイタリア料理や福建料理ならともかく、正しいヨーロッパ料理や中国料理が定義しにくいくらい、正しい日本料理は定義しにくいと思う。だから「それは違う」は言えても「正しいと認証」は難しいということ。
 それでも、「authentique」と言ってしまえば、ヨーロッパにはプロトコルとなったフレンチがあり、中国にも清朝の宮廷で山東料理(魯菜)を母体に作られた北京料理があるが、日本料理の場合、国内でも廃れている本膳料理を推奨するわけにもいかないし、そのあたりも難しい。
 それで「反対するなら、代案を示せ」と言う人が世の中にはいるので、「authentique」な日本食を海外に普及する一案。
 アメリカの大統領が外国首脳を自分の牧場に招待して、自らステーキを切り分けるなんてパフォーマンスをする(記憶、あやふや)んだから、サミットの晩餐会に際して、日本の首相が四条流の包丁式を披露するというのはどうだろうか。うつくしさが2ポイントくらい上がるかも。国外の関心は呼ぶだろう。どこかの首脳が、ジャパニーズ・トラディッショナル・レセプション・ワンダホーとか思って日本の歴史を勉強してくれ、白い家で、フセイン一族の頭蓋骨に金箔をはった器でsakeを出してくれるかも。

 ジェトロの推奨制度に関する新聞のインタビューで、日本料理は「ヘルシーな魚料理」というイメージがあるが、誤解もあると答えている。このヘルシーというのは結果であって、別に先人が心がけたわけでない。むしろ、1960年頃までは、日本では「太る」食べ物はいいと思われていたはずで、「とんかつを食べてよく寝るとふとる」というコピーが1970年頃まであったくらいだ。
 狩猟採取から農耕牧畜へと移行したのだが、日本の場合、植物性の食材だけが移行し、動物性の食材は移行が送れた。つまり、イノシシやカノシシ、魚などの野生動物は食べても、家畜を食べることは近年まで普及しなかったわけである。そういえば、リンク先に植物を栽培してる人も、動物を飼ってる人も多いが、それを食べているという記事は植物についてしか見ない。ともかくも、牧畜が発達しなかったことが「ヘルシーな魚料理」の要因だ。

 牧畜が発達しなかったということは、その中心技術である去勢技術も移入が遅れた。そして、東アジアの王朝の中でも日本の後宮には宦官が存在しなかったという歴史の要因となる。
 その結果が源氏物語の世界であり、時の権力者、藤原氏がより確実な女系を重視することになる。以来、実質権力が確実な女系を重視することで、形式的な正統性の担保のための男系の継続が可能になったのだ。
 つまり、ヘルシーな魚料理も、男系王朝の継続も、日本の文明史の結果であり、食文化に深く関わった一体の文化体系であり、女系王朝の容認は世界で認められている日本料理をも冒涜するものだ。
 というのは、さきほど思いついたヨタ話だが、八木秀次の説よりは、男系の説明の説得性はあるだろう。

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Commentaires

>日本の首相が四条流の包丁式を披露するというのはどうだろうか。

包丁をとりだした瞬間に勘違いしたプチンが発砲、そこへ駆けつけた某外相がオリンピックの夢よふたたびと応戦するかのように見せかけつつ、日本の首相をアレして、その隙にKGBが放射性毒物をアメリカの猿に似た人の皿に混入するかと思いきやなぜかシラクのほうへ入れてしまい、大混乱に。迎賓館の池にはにょっきりと人の足が浮かんでいて、髪の毛もじゃもじゃカキながら「私にはわかっていました。犯人はあなたですね」と石坂コージがゆっくりとライス国務長官の元へ…。韓流映画としても三流なシノプシスですね。

Rédigé par: 瑠璃子 | le 15/12/2006 à 22:57

 でも、次の日本のサミットは2008年だから、ブッシュやライスはいないはず。
 それに、日本の文化については、日本の現首相よりも、シラクはもちろん、プチン(柔道だけかも)の方が詳しそうだし、こっちも替えた方がいいかも。

Rédigé par: 南郷力丸 | le 15/12/2006 à 23:13

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