鴨川千鳥
昨日のエントリーで、ユリカモメが京都市の鳥という誤解があると触れたが、では京都市の鳥はというと、決めてないらしい。別に、決めなければならないというわけでもないし。
ちなみに、京都府の鳥はオオミズナギドリで、釜石市の鳥にもなっている。盛岡市の鳥はセキレイらしいが何セキレイかは不明。市のサイトではキセキレイが載っている。郡山市はカッコウ。
西東京市は不明。合併前の保谷市はシジュウカラでマンホールにも描かれているようだが、合併後に新たに決めることになって、まだ決まってないのかもしれない。
青森市も元々は善知鳥村と言われたとかでウトウだったが、やまばとを市の鳥にしていた浪岡町と合併し、フクロウに変わったらしい。 それで、京都市の鳥を決めるとするなら大本命は、「鴨川千鳥」とも言われたイカルチドリなんだろうかと思う。いわゆる千鳥紋というか千鳥の意匠はいろんな所で見られる。「通り抜けできます」とか「酢」とか「有次の型抜き」とか。でも、このイカルチドリ、護岸や河原の浚渫工事でしばらく姿を消していたらしく、それで決められていないのだろうか。
「千鳥」というのは、元々、岸辺にいる小鳥全般を言ったようなので、ぱっと見似ているイソシギも「千鳥」扱いされていたかもしらない。鳴き声もチリチリやー、チリチリらしい。
イソシギといえば、先日に撮った鳥を何者か調べて、やっと近所にいるというのを知ったくらいだし、「いそしぎ」の映画も見ていない。けれども、テーマミュージックになった「The Shadow Of Your Smile」は聞き覚えがある。
では、千鳥に関する曲はというと「千鳥の合方」になる。大悟とノブではない、それは「千鳥の相方」。でも、この千鳥の合方は「筑摩川」の千鳥のようだ。
「チリチリやー、チリチリ」も、元は「宇治の晒」という小謡らしい。ということは宇治川の千鳥か。
三橋三智也の歌っていた「鴨の河原に千鳥が騒ぐ、またも血の雨、涙雨」は、このイカルチドリだろう。
本命はイカルチドリとして、対抗は鷺だろうか。カモにはサギである。その昔、祇園祭に笠鷺鉾というのが出ていて、今、津和野でやってる鷺舞は、この鉾の演し物だったらしい。カササギというのは七夕伝説に出てくる鳥で、鳥栖あたりの車窓から、電柱の上に留まっているのを見たことがある。ただし、この鳥は外来生物で室町時代以前にはいなかった。なので、当時の人は鷺の一種と認識していて、白鷺のダンスが出来たのだろう。
鷺には醍醐天皇が「従五位」の官位に叙したゴイサギというのもいる。五位というと、昇殿が許される位だ。今も、京都御苑に、震災復興対策で山古志村から取り寄せた鯉の稚魚を食べに入ってるらしい。
大穴としては、オウムはどうだろうか。枕草子の「鳥」のトップはオウムだ。「鳥は 異所のものなれど、鸚鵡、いとあはれなり」。それに、動物園における最長飼育記録は、京都市動物園にいたキバタンというオウムの54年らしいし、同じ「外来種」でもユリカモメの30年ちょっとより、京都市にいた期間は長い。問題は「オウム」という名前の悪印象だが。
でも、個人的にはトラツグミがいいなと思う。別名「鵺」で、平家物語の源三位頼政のエピソードをはじめ、京都に馴染みの深い鳥だ。
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