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31/05/2008

ヨコハマメリー

 歌舞伎のヒーロー、江戸では花川戸の助六、上方では大星由良の助らしい。助六はカッコイイ。一方、由良の助は目的のためにカッコワルク振る舞った。
ヨコハマメリー で、歌舞伎とは関係ない映画の話である。とあるトコロで、ドキュメンタリー映画は素材にチカラがあれば、加工度を抑えた方がいいんじゃないか、という話の例に出したのが、この「ヨコハマメリー」だった。
 このヨコハマメリー、つまりはスジを通すというか、プリンシプルというか、プライドを持って生きている人たちのドキュメントだった。プライドというと、そういうタイトルの映画もあったが、そちらは「現実」によって虚飾が剥がされながらも、まだ体面を取り繕う老人の滑稽さを描いた「笑える」映画であった。この「ヨコハマメリー」というのは「体面を取り繕う」プライドではなく「自身の原則を通す」というプライドの話。
 この「ヨコハマメリー」さん、一種異様な外面であっても、それは彼女の原則を貫いていたからであり、「施し」を拒否し続けてきた人だ。話の進行役の歌手さんも、彼自身の原則に従っている。そういうエライ人じゃないけど、むしろ「世間」とやらいうものには蔑視されているんだろうけど、自身の原則に恥じることのない人の話だ。
 チョイ役で大野慶人さんが出ていたが、今でこそ「横浜市の近年で最も偉大なアーティスト」の息子さんなのだが、その父も活動を始めた当初には異様にしか見られなかっただろう。そして、メリーさんに感動し、舞台化した女優が出てきたけれど、タレントではなく、女優としての原則を通そうとしてるのかと思う。
 こういったピュアなプライドを持った人たちには、素直に感動してしまう。でも、なかなか、自分が実践できるかというと、そうはいかないもんなのよ。それで、素直に自分のダメさに反省せずに、もっと醜いのを探して憎んでしまうのがせいいっぱい。例えば、ひたすら体面を取り繕ってるような人、どこの都道府県か言わないけれど、まさに弱い犬ほどよく吠えるを実践しているような都知事の類だ。自分が半端なバカだからとわかっていても、卒業しようとするよりも、もっとバカを憎んで満足するようなものだ。
 せめて、こういう映画で、ピュアなプライドに感動できたことだけでも喜びたい。

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Commentaires

僕は20数年前一時期横浜の街をあてどもなく、ぶらぶらしている時期があったのですが、その時にもしかしたらメリーさんを見ているかもしれない。何か真っ白い人形がたたずんでいるのを見たんだけど、あんまり目的もない、というかぼーーーっとした状態なので、「白日夢なのかも」とか思ってました。

Rédigé par: 龍 | le 01/06/2008 à 23:47

どもー。
自分は瑠璃子さんの勧めで見ました。
映画館の最前列で、がんじろうさんの「MY WAY」を見ながら滝のように泣きました。
大野さんは、舞踏モードに入った途端に動きが緊張感を帯びて、空間の密度が様変わりしたようで印象に残っています。
昨日は『靖国 YASUKUNI』を見ましたが、ドキュメンタリー映画としてはこちらの方が数段上だと思います。比べるのもなんですが。

Rédigé par: クロヒコ | le 02/06/2008 à 02:10

 そういや私も20数年前一時期横浜によく行きましたが、ダンスイベントの準備手伝いだったので、龍君がぶらついてたようなぁゃιぃ街には行かなかった。なので、結局、実物は見ていません。
 『靖国 YASUKUNI』は見ていませんが、やっぱり、ドキュメンタリー映画には、素材のチカラが大きいってことでしょうね。『靖国 YASUKUNI』は映画の出来以外のことで有名になりましたが、私はまず、故国で作品が作れなくても才能があるなら支援すりゃいいのに、何やゴチャゴチャ言うて、ケツの穴の小さいオバハンや、と思ったわけです。ご本人は「ゆるい」より小さいと思ったのかも知れませんが。それでメリーさんが暮らしていけたというのは、当時のヨコハマが「ケツの穴が小さくない」フトコロの広い街だったってことでしょうね。

Rédigé par: 南郷力丸 | le 02/06/2008 à 18:46

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