シロマダラのしんじつ
アヤシゲな写真であるが、これは中学生の頃に京都市左京区で捕獲したもの。お恥ずかしい限りですが名前がわからずにお持ち帰りして調べたら「シロマダラ、Dinodon orientale」だとわかった。なお、当時はレッドデータブックとかなかった。お亡くなりになってホルマリンに漬けたものの、その後、長年にわたって放置していたので、保存状態が極めて悪い。
ところで、先月のことだが、京都のローカル新聞に「生きたシロマダラ捕獲、民家の庭で発見 府内初」というニュースが出ている。この発見した人が「これまでにも見たことがあった」と言っている。じゃあ、なぜ「これまでに見た」時に捕獲もせず、ニュースにもならなかったのか、というと「報告」しなかったからだ。
つまり、然るべき学術団体に「報告」しない限り、「誰も見なかった」ということになっているわけである。今回、発見者が「報告」したのは、この前日か前々日かに、ネット上では発見できなかったけれども「府内初のシロマダラの死体発見」という記事が新聞に載ったからだ。
ちなみにシロマダラの死体なら、知人も数年前に京都市北区で拾って標本にしているが、それも「報告」しなかったので、なかったことになっている。
夜行性で藪の中や落ち葉の下に隠れているので、見つけにくいのは確かだが。捕獲した機会以降にも、京都府内で結構見かけている。なので、他にも見た人は多いはずだが「シロマダラ」だとわからなかったり、わかっても「いても当然で、不思議でも何でもない」ので「報告」しなかっただけのことなのだ。
ちなみに、情報を公開しただけでは「報告」にならないらしい。市民新聞とかに載った例でも「報告」がなかったら、なかったことになっている。
「記録がない」のは、「事実がなかった」からではなく、むしろ「誰もがあって当然と思っていた」場合というケースもある。という例だ。
Commentaires
コモロの漁師たちは、「発見」される前からシーラカンスを釣って食べてたそうですね。
Rédigé par: 非国民 | 02/06/2008 22:18
コモロなる孤島のほとりにて、昔は食えたんですね。今もどこかの漁村じゃ「未発見」の魚を食べてるかも。
ガラパゴスのゾウガメは発見されてからも食べてたとか。
Rédigé par: 南郷力丸 | 02/06/2008 22:33
「未発見」の魚に、ちゃんと名前がついてたりもするんでしょうね。
Rédigé par: 非国民 | 03/06/2008 00:16
日本の固有種なんて、明治以降に「発見」されたものが、けっこういますから。名前はついてましたけど、全国で同じ名前じゃないようです。
Rédigé par: 南郷力丸 | 03/06/2008 00:23