義太夫の床本をみてみよう
今週末に文楽に行くことにおなったので、台本を引っ張り出してきた。「台本」といっても、義太夫の詞が書いてあるだけで、床本という。
今週末に行く「三十三間堂棟由来」の「平太郎住家の段」で、最も左に有名な「木遣り音頭」の部分が書いてある。
床本と言っても、これは実は練習用のもので「稽古本」という。以前は素人で義太夫の稽古をする人も多かったため、各種が出回っていたのは謡曲と同じことで、これは竹本君太夫フォントで書かれた千葉久榮堂のもので、他によく見るのが鶴澤清七フォントの加賀屋のものだ。
左は各種サイズの床本で、いずれも「絵本太功記・尼崎の段」の同じシーンだ。上が本番用のサイズで、このように出版されてもいたが、自分で書くのが基本だったらしい。中くらいのが稽古本。小さいのはモバイル用。
さて、問題はこういう床本が、古書店にしかなく、希望の演目が簡単に入手できないこと。ところが、義太夫の有名な演目の全ての著作権が切れているために、こういうサイトがある。ここからコピペして縦書きにすれば簡単に作れるわけである。本職の文楽の太夫さんで、そうしている人もいるらしい。こういう床本用フォントが出回っていないという問題もあるが、似た字体を使っているらしい。
Commentaires
>こういうサイトがある。
どういうサイトでしょう?
それにしても、素敵なフォントですね。
似ているフォントといえば勘定流、でしょうか?
Rédigé par: gegenga | 21/08/2008 09:28
赤色と黒色で拍子とか節(?)とかの記号が書いてあるんですが、赤と黒とで違うんでしょうか? 拍子の書き方は謡本と似てますなあ。
Rédigé par: 某清純派 | 21/08/2008 21:49
これが床本と云うものですか。
とか言っても、義太夫は全然知りませんで、出てくるのは、「あんたは長い間座っててもしびれがきれないところがいい」とか、「我々頑強なものが聞かせていただいても節々が痛むという、あのお浄瑠璃」とかのセリフばっかりなんですが。
Rédigé par: ちょちょんまげ | 22/08/2008 03:48
リンクするの忘れてたんで、しておきました。勘亭流もルーツは御家流で浄瑠璃文字から派生したもののようなので、似ているんでしょうね。この本が読みにくいのは変体仮名が多いからで、フォントはわかりやすいんですよね。
記号の赤いのは多色刷りなだけです。さらに演者が朱や他の色でメモを入れたりします。某ベテラン太夫さんは「ここで茶を飲む」なんてことも書き込んでいるそうです。
そのうちちょちょんまげさんのベッドの上で、浄瑠璃を語ってさしあげます。
Rédigé par: 南郷力丸 | 22/08/2008 06:13
旦さん、そこは、あたしの寝床でございます。
Rédigé par: ちょちょんまげ | 23/08/2008 13:41