地域一番トン戦略とは
手品には、タネもシカケもちょこっとある、という認識は一般的なものだと思う。ところが、たいていの手品ではタネもシカケも見えない、だからこそ手品なのだ。
そして「見えない」から「ない」とは考えない、そこに見えない「何か」があるはずだと普通は考える。そして、同じような手品を見れば、似たような「何か」があるはずと、普通は考えるだろう。
ところが、どうも世の中には、そう考えない人もいるらしい。同じような芸の一方に、タネもシカケもちょこっとある、もう一方にタネもシカケもないある、と考える人がいるらしい。なぜ、そうなるかといえば、一方が「手品」や「マジック」と自称し、一方が「超能力」だの「霊能力」と自称している。それだけの違いだ。
私にとっては不思議でしようがないのだが、自身の知識や体験に体系化というか整合のしようもない、単なる自己申告を信じているようなのだ。
こういう不思議としか思えない判断をする人は決して少なくない。そして、このような判断ができる人が、いわゆるトンデモを受け入れることが出来る。なので、あるトンデモ話を信じられる人は、他のトンデモ話を信じることが出来る。
水伝を信じることができる人なら、血液型占いも信じられる。911陰謀説を信じられるきくちゆみなら、真弓センセイの牛乳は毒説だって信じられる。偽歴史を信じられる人は、アントシアニン・ゼリーも花粉も信じることが出来る。あるトンデモ話のマーケットは、別のトンデモ話のマーケットになりうるのだ。
ということは、である。水伝だけ、マイナスイオンだけ、陰謀論だけ、超越妄想だけ、偽歴史だけよりも、トンデモ話の品揃えが多い方が、よりトンデモ受容力のある人に受け入れられる可能性がある。トンデモ・マーケットを支配する可能性がある。
トンデモ話をするなら、多くのトンデモ話をすればするほど支持される。トンデモ話の本を出すなら、トンデモの種類が多いほど、支持されるわけである。つまり、地域で一番トンデモを揃えるほど、マーケットへの訴求力があるわけである。
先の「rio 2016を勝手に支持」に賛同してくれてる方々が、次から次へとトンデモが出てくるのに感心されてるが、それには、こういう「地域一番トン戦略」の裏付けがあるのだ。
ともかくも、目に見えないサムシング・グレートや心こそが本当に大切なことだ。
Commentaires
>目に見えないサムシング・グレートや心こそが本当に大切なことだ。
感動的なお言葉でございます。
(ゲーテ)でしょうか?
この世には「アタマから信じなければわからないこともある」という一見カルトの教祖のようなことをおっしゃる方がいらっしゃいますが(わたくしは約二名存知あげております)、一見カルトのように見えて、実は「あらカルト」なる、「良いカルト」だったんですね。
そういふ方々の真意が理解できて「感性」が喜んでおります。
Rédigé par: ちょちょんまげ | 08/03/2009 09:43
あれま。2名しかご存じないとは、幸せな。しあわせはこころが決めるんだなぁ。なので、目に見えないサムシング・グレートや心こそが本当に大切なことだ。
Rédigé par: 南郷力丸 | 08/03/2009 21:32
一昔前に流行った自己啓発セミナーなんかは、マルチ商法や宗教団体と「商売」上のノウハウに共通する部分があって、実際に人材面でも行き来があるというか、結構オーバーラップしていました。自己啓発セミナーが一気に下火になった頃には、オウムあたりに「転職」した人も少なくなかったと聞いています。
当然、「顧客」も重複している可能性が高いわけですね。
Rédigé par: 非国民 | 09/03/2009 02:01
そういうことで言えば、無害のトンデモを広げると、波動やマイナスイオン商売の被害者を増やさずにすむかもしれませんね。
毒物飲料真理教でも始めませんか?
Rédigé par: 南郷力丸 | 10/03/2009 00:10
あいにく、毒物探求の目的はこの世の不条理を知るという知的な愉しみでして、フィジカルな健康には有害です。そもそも毒だし。
Rédigé par: 非国民 | 10/03/2009 01:49
じゃあ、シイタケ真理教とか。
Rédigé par: 南郷力丸 | 11/03/2009 18:59
確か毒物はコップ一杯に分子一ヶあるかないかぐらいまで希釈すれば、ほめおぱしーになってけんこーによろしかったのでは?
Rédigé par: ちょちょんまげ | 18/03/2009 22:26