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22/05/2009

今日の科学

 昭和を象徴する巨人軍・長嶋茂雄選手は「4番打者」。古くから伝わる「四季」「四天王」「四国巡礼」、「四面楚歌」や「四神相応」といった四字熟語から、現代の「アラフォーブーム」まで、日本の文化には4が欠かせません。数学のうえでも、4色問題は格別の難問だったといいます。こどもの日もとうに終わったが、不思議な数「4」を究めてみましょう。
 野球のスーパースターのほとんどは4番打者だ。野球を美しく印象づける数字が4と言えるだろう。例えば長嶋選手も4番だった。その前の4番の川上哲治も、長嶋が衰えた後、4番打者となった王もスターだった。長嶋以前の背番号3の千葉茂が、勝率3割未満の3年連続最下位の監督としか知られていないのとは対照的だ。後に讀賣が低迷したのも、多くの人が「4番不在」を理由にあげているが、背番号3不在をあげるのはよほどの馬鹿だけだ。4つのベースを回って点が入る野球で最も華やかなのは満塁ホームランの4点だし、イチローは4番バッターじゃないが、4割バッターが期待されている。
 数学の世界で4の不思議さが現れているのは「いかなる地図も、隣接する領域が異なる色になるよう塗るには4色で十分」という定理だ。この単純な定理が長年にわたり証明されず、今もコンピューターを駆使しての「力ずく」でしか証明できない。
 この4の不思議な力は、地図でなく、現実の世界が4を基本に出来ているからだろう。世界を東西南北の4方向に分けることは一般的だ。考えてみると北極、南極があるように、南北は絶対的に決まる一方、ひたすら東に行くと、やがて西になってしまうから、別に「東西」「南」「北」の3つでもいいはずだ。なのに4方向にしているのは、4が基本だからだ。春夏秋冬と1年を4分割するのも不思議だ。連続しているのだから、いくつにだって分けられるはずなのに、4分割するというのも、人々が「4」が基本と思っているからで、机の脚だって3本あれば安定するのに、わざわざ4本にしているのと同じだ。
 現在の文化も4が基本になっている。そもそも文明の発祥も、エジプト、メソポタミア、インダス、黄河と、四大文明だ。四大文明に限らず「四大」云々というものは多い。例えば四大都市圏だ。名古屋だけは三大都市圏と言う人もいそうだが、単に人口が多いだけの田舎が入って、複数の政令市を含む北九州都市圏が入らないのは不合理だ。「三大何とか」というのは多くは無理矢理だし、佐賀では祐徳稲荷を、茨城では笠間稲荷を三大稲荷と称しているように、根拠も論理もない。
 釈迦は「生老病死」の4つの苦から脱する教えを始め、キリストの言行はマタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの4人の記録によって広められ、後の多くの人々の思想的背景になっている。宗教とは無縁のように思われているマルキシズムも、チコ、ゼッポ、グルーチョ、ハーポという、実は5人兄弟だったうちの4兄弟によって作られたものだ。
四大名旦 一方、4人姉妹といえば、マーチ家のメグ、ジョー、ベス、エイミーが世界的には、歌江、照枝、花江の三人姉妹よりもはるかに有名だ。チェーホフの「三人姉妹」があるという反論もあるだろうが、これには「4幕のドラマ」という副題があり、さらに「かもめ」「ワーニャ伯父さん」「桜の園」とあわせて四大戯曲とされている。シェークスピアには四大喜劇と四大悲劇がある。
 そして、4の不思議な力を最も証明しているのは「うらない」だろう。その代表が「四柱推命」だ。何種類もある血液型の中でABO型だけが占いに使われるのも、4パターンに分けられるからだろうし、どんな馬鹿でも4パターンくらいなら覚えられるからじゃなくて、4の不思議なパワーのためだ。最も親しまれている占いツールはトランプだし、それは4種のスートからなる。
 トランプだけでなく、ゲームの世界でも4には大きなパワーがある。四暗刻も四槓子も大四喜も小四喜も役満だが、3だと役満は大三元のみだ。ゆるキャラの中でも「ひこにゃん」が圧倒的に人気を得たのも、カロムという4人ゲームの本場だったからという説がある。もうひとつ、徳川四天王の井伊直政ゆかりのいいにゃんこだからという説もあるが。
 この徳川四天王のように、日本人は、ある場合には、この4の不思議な力を得るべく、四天王という形の臣下を持った、金太郎さんも頼光四天王の一人だ。日本人のルーツは、源、平、藤、橘の4姓だという。
 一方で、4の不思議な力を畏れることもあり、部屋番号などで四号室を避けるということも行われている。これについては「四はシで死に通じる」という俗説があり、確かに日本の音楽には、ドレミの4番目の「ファ」と「シ」を避けたものも多い。でも、それは「ヨン」と読めばすむ話で、現に他の数字は音読みの場合でも「ヨン代目」だとか「ヨ畳半」などと言っている。これは、やはり4の不思議なパワーのせいだろう。
 そもそも自然界の「力」自体が4種類だ。
 

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Commentaires

ピタゴラス学派も、4は完全な数として重んじたんでしたっけ。
平方数といったかな。

Rédigé par: kuroneko | le 22/05/2009 à 11:43

お見事です。
故・長岡鉄男さんの文章を思い出しました。

ワーグナーも「トリスタン」、「指輪」、「マイスタージンガー」、「パルシファル」で四大楽劇だし、「指輪」はそれだけで四部作!

「四人組」・・・は失脚しちゃってるからダメ・・か。

Rédigé par: ちょちょんまげ | le 22/05/2009 à 21:35

 ピタゴラスは「5の魔力」用にとっておきましょう。
 「四人組」は失脚したけど、毛・周・劉・朱を「四大偉人」と言いますね。禁煙祝いに、カット用のラシュモア山の写真を撮ってきてください。

Rédigé par: 南郷力丸 | le 23/05/2009 à 00:00

サウスダコタってラシュモア山しかないんですよ。
(牛がいっぱいいるけど)
わざわざいくんですかぁ。

Rédigé par: ちょちょんまげ | le 23/05/2009 à 14:46

 3は人をアホにさせる力があるのです。侮ってはいけません。

Rédigé par: 某清純派 | le 23/05/2009 à 15:12

 サウスダコタにはコウライキジもいるらしいです。だからどうってことはないのですが。
 人をアホにさせる力があるのは「3」というより「サン」かも。元記事もサンのつく新聞だったら「またか」ですんだでしょうに。

Rédigé par: 南郷力丸 | le 23/05/2009 à 20:05

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