« 今日とかの野良鳥(1月19日) | Accueil | 今日の野良鳥(1月23日) »

22/01/2012

大鹿村騒動記

大鹿村騒動記 昨年の夏に映画館でやってて観に行こうと思っていた。ところが結局行かずにDVDで観た。なぜ行かなかったか。市内の映画館で上映はしていたが、生活圏の中ではない。なので、実際の距離以上に心理的には遠い感覚があったこと。そして、上演中はいつでも観られるわけだから、まあ明日以降でもいいや、と思っているうちに上映が終わっていた。私が映画館に行くということがほとんどなくなったのは、徒歩圏内にあった映画館が閉鎖されて以来だ。
 ところが、生の舞台だと、上演日時を指定して前売り券を買わないと好条件で観られないわけで、明日にしようというわけにはいかない。そして、市内よりも大阪や東京の方が行った回数は多いし、それどころか秋田県や熊本県まで観に行ったこともあるわけで、より「容易に観られる」ことが、足が遠のく理由になっている。
 「容易に観られない」けれど観に行った舞台には、シロートさんの舞台だって含まれる。そのうちのひとつが大鹿歌舞伎で、関東の知人と前泊、後泊の行程で観に行ったことがある。それが、この映画を観ようと思った理由だ。
大鹿歌舞伎 さて、この映画で重要なのが大鹿歌舞伎だ。地芝居、村歌舞伎によくかかる芸題というのがある。例えば絵本太功記十段目(十日目)、これは武智光秀(明智光秀)が主役ではあるが、息子の十次郎、その妻初菊、妻の操、母の皐月、羽柴秀吉にあたる久吉そして、出番は少ないがその家臣、正清とそれぞれに見せ場があるし、床だって聞かせどころがある。つまり8人が気持ちよくなれる芝居だ。この映画で演じられるのは大鹿歌舞伎独自の演目で「六千両後日之文章重忠館の段」というもので、これも6人の主な出演者がそれぞれに見せ場があって気持ちよく演じられるという芝居だ。
 そして映画の方はと言えば、原田芳雄が主演ではあるが、主なキャストが、それぞれの俳優の味を思いっきり見せてくれる。話としては、ばかばかしくも予定調和なんだけど、気持ちよさそうな芝居が見ていて気持ちいい。ベテラン俳優だけでなく、性同一性障害の若い子の役をやった俳優だって存在感を示してくれてる。
 そして、個人的には、実際の大鹿歌舞伎からの出演者である片桐登さんの元気な姿が嬉しかった。大鹿歌舞伎の竹本で、この映画でも義太夫の弾き語りを演じていたが、大鹿村役場を教育長で退職し、大鹿歌舞伎保存会の会長を務め、大鹿歌舞伎の中心人物なんだけど、私が観に行った時も、忙しい中で本当にお世話になった。
 後泊というのは、歌舞伎の日の夜、片桐さんの紹介してくれた「元民宿」という一般家庭に泊めてもらったのだが、山の中に入っていく道で、こんな先に人家があるのかという家だった。そこでは、鱒だけは、村内の養殖場で買ってきたけど、後は自家製というご飯だった。そこの婆ちゃんが、爺ちゃんが採ってきたという蜂の子を「お口にあうかわからんけど食べてみるかに」と薦めてくれて、蜂の子の旨さを知った。
 私にとって、大鹿村というのは、今でも強烈な印象が残る非日常体験だったわけで、この映画の「ありえなさ」は、むしろリアリティなのだ。
 そんなわけで、私としては高評価なんだけど、誰でもそうかとは言い難い。でも「亡国のイージス」のような、意図しないバカ映画ではないと思うよ。

|

« 今日とかの野良鳥(1月19日) | Accueil | 今日の野良鳥(1月23日) »

Commentaires

どもども。やられましたな。
いま、京都では祇園会館でやってますよ。大画面。ちょっと大きすぎ(笑)
先週見てきました。mixiにレビューアップしようとおもってたところ。
大鹿村は行ったことないけど、地芝居は何度か見ました。見たことがある人ならおもしろいだろうな、と思いましたね。でも今でも地芝居が続いているのを知らない人には「昔の村の出来事を大げさにいま復活させてるんだろう」としか思われないでしょうね、それが残念でしたね〜

Rédigé par: ピンク | le 22/01/2012 à 10:50

 やってましたか。でも、祇園会館に回ってくる頃には、どこでいつやってるのか、もう調べないんでわからんですねぇ。
 DVDで観て、大鹿村の風景は同じ山容が繰り返し出るだけで、ロングの風景の中のシーンもなくで、別に大画面でなくてもいいや、と思いましたが。

Rédigé par: 南郷力丸 | le 22/01/2012 à 20:23

Poster un commentaire



(Ne sera pas visible avec le commentaire.)




TrackBack

URL TrackBack de cette note:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/23135/53792740

Voici les sites qui parlent de 大鹿村騒動記:

« 今日とかの野良鳥(1月19日) | Accueil | 今日の野良鳥(1月23日) »