今月末の花と蝶(4/28・29)
鹿がやたら増えてる。
鹿は草や低木の葉を食う。林業や農業の被害はよく言われるけれども、そういう直接的な被害だけではない。そこらのお山に行っても、草や1m程度までの灌木がほとんどないとこがある。
草や低い木の葉が食われると、当然にその植物は死んでしまうわけで、根も運命を共にして腐ってしまう。すると土壌が流れやすくなり、斜面に立ってる高い木だって、根っこが浅くなっていくわけである。根元が露出した木もやたら目にする。そうなると、高い木だって倒れやすくなる。
4年前の冬、近場の山では、雪でやたら木が倒れた。そんなに豪雪というわけではなかったのだが。さらに一昨年の台風でもよく倒れた。いずれも、木が倒れやすくなってたので、よく倒れたんだろう。
こうして、草や低い木が食われた上に、高い木も倒れると、さらに土壌の流出が進むわけで、山の保水力も低くなる。ちょっとの雨でも川が増水する。そんなに豪雨でなくても、ここ数年、これまで以上に川が急に増水している。
トリさんを見てるだけでも、この変化はよくわかる。
コマドリというのは藪に潜むトリだ。ところがその藪がなくなってしまっている。しかし、一方で倒木が増えている。すると倒木の葉の中に潜むようになっている。写真では、茂みから出てきたとこを撮ってるんだが、ここ数年は背景が藪ではなくて倒木になっていることが多い。
山の保水力がなくなって、川がすぐに増水するようになり、一昨年は淀川の河川敷が水に浸かることになった。ゴルフ場も水に浸かり、そのまま廃業した所もあったようで、この冬は、荒れ地となったそこのネズミを狙ってコミミズクが大量に越冬しに来てた。あのコミミズク株の大暴落は増えすぎたシカのおかげなのである。
個人的には他にも困ったことがある。
シカはヤマビルを運ぶ。ここ数年、やたらヤマビルも増えている。それでも数年前は477号線より北にしかいなかったが、もう天ヶ岳を超えている。
近所に警察の馬の厩舎がある。その付近にも鹿がいる。馬と鹿がいるわけだから、類は友を呼ぶようで、馬鹿も増えている。そのひとつが野良猫に餌付けする馬鹿だ。藪がなくなって、野良猫に餌付けする馬鹿がいるために、この厩舎あたりでは、越冬する「地べた鳥」、トラツグミやルリビタキがいくらでもおったのに、最近は年を越す頃には、ほとんど見られない。
そんなわけで、鹿を見ると脅かすようにしてる。立ち回り先の山々をシカ共に安心して暮らせる場所だと思わせてはいけない。
そんなシカに食い荒らされ、ほとんどシダ類しか生えてないような場所でも、今の時期はしょぼしょぼと草が生えてきており、数ミリの花が咲いている。
名前は調べてない。
そんな花をツマキチョウも訪れていた。
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