トンボの見る絵
トリさんはとても眼がいい。いわゆる視力がいい上に、色覚も優れている。なので、トリさんに近づくには、気付かれないように近づくよりは、トリさんには見えているのを前提に、逃げなくてもいいと思わせるように近づくわけである。
さて、先日のロールの件から、今度はトンボの眼について調べてみたのだが、気になることがあった。というのは、トンボはとても眼がいいという記述がよくある。トンボの眼は複眼で、個眼が数万個集まって出来ている。個眼は形こそ見えないものの、色覚に優れ、波の振動方向まで見えるとか、視界は270度あるとか。
そこで思ったのだが、形が識別できない個眼が数万個って、つまりトンボの見てる景色って、解像度が数万ってことやないの。それって、8ビットパソコンが商品化された当時のCRT並みやないか、ということだ。色覚はさておいて。
計算してみると、トンボって、上のような景色が、下のように見えてるということになる。個眼はタテヨコに並んでるわけじゃないけど、解像度のイメージとしてはこんなもん。どうも「眼がいい」というイメージからはほど遠い。
ところがである。下の左のような絵は、トンボには下の中央のように見える。なぜ3つ並んでいるかというと、解像の境目を1/3づつずらしてあるから。
そして、1/3づつずらした画像を合成してみたのか右端の絵になる。きわめて簡易な合成だし、まだえらいボケた絵ではあるのだが、中央のそれぞれの画像よりは、形がわかるようになっている。これが1/3づつではなくて、もっと細かく刻んで、というかちゃんと微分すれば、もっと鮮明になるように思う。
そして、トンボの眼というのは時間識別能力がとても優れているという。ということは、見えているものが、個眼に対して動けば、個眼の個数によって得られた解像度以上に、解像した画像が見えるということになりそうだ。つまり、動いてるトンボは視力がいい。動いてるモノに対して視力がいい、こういう原理だったのか。トンボは景色を見る時に微分しているのだろうか。
トンボに近づきたい時は、ゆっくり真っ直ぐ近づいて、横への動きは避けた方がいいのかな。
さて、最初の風景は沖縄の漫湖だ。低解像度だとどう見えるかをイメージするためにはモザイク処理をしている。モザイクをかけた漫湖の絵も、動くと、より鮮明に見えるようになるということである。
モザイクのかかった動画とかだと、キャプチャを見ると形状がわからんでも、動画だとモザイク越しにでも何となく形状がわかるということはよくあることである。トンボというのは、というか複眼による解像というのは、こういうことなのかと思った。昆虫についてはド素人なので、間違った解釈かもしれないけど。
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