軍配
見ていて飽きないトンボ、というと、私の場合グンバイトだけど、脚はトンボの場合、降着や採餌には使われるけれど、そんなに注目される部位じゃない。それが、このグンバイトンボの場合、特色であり、その使われ方が面白い。それで、裏山の池ほどじゃないにしろ、行きやすい所におることもあり、わりとよく見に行く。最近、残念なのは、帰りに寄っていた爺ちゃん婆ちゃんがやっていた総菜屋が閉店して、茄子田楽が買えなくなったこと。
梅雨であまり出歩けないこともあって、撮った画像の整理がてら、適当にまとめてみた。
梅雨であまり出歩けないこともあって、撮った画像の整理がてら、適当にまとめてみた。
そのグンバイトンボの脚。この「軍配」というか「ふくらはぎ」は写真にすると結構難物で、ハレーションというか白く潰れがち。
繁殖時期の♂は上下に揺れながら、脚を伸ばして川の上を飛ぶのが結構目立つ。この水路にいるのも特に探したわけでもなく、何気なく近寄ったら、こうして飛んでるのを見かけて気付いた。
「ふくらはぎ」の誇示は♀へのアピールということらしく、♀がいると左右にも拡げる。
そして、首根っこを押さえ、タンデム状態になると、脚を畳んでしまう。トンボの飛行はだいたいが脚を畳んでいるんで、とっ捕まえたらもう「俺のは立派やろ」とアピールすることもない、ということか。
タンデム状態で留まるペア。♂から留まることが多いけれども、産卵時は♀が留まるからか、その途中で移動している場合は♀が留まってる。
交尾。特に他のトンボとは違わない。草の陰などあまり目立たない場所でコッソリしてはる場合が多い。
浸水植物の上を産卵場所を探して飛ぶペア。♂の脚は畳んで目立たない。
ところが、他の♂とすれ違ったりすると脚を拡げる。やや相手に向かって拡げてる。
産卵。適した場所が限られているからか、そういう習性なのか、同じ所で産卵することが多いようで、2組が産卵してる。ペア同士だと脚を拡げることもない。
5組が産卵体制のところに、さらに1組やってくるという状態だけど、脚はみんな畳んでる。
脚を畳んで産卵していても、他の♂がやってくると一斉に拡げる。よく「産卵時に他の♂が来ると脚を拡げて威嚇する」という記述を見かけるけれど、脚を畳んでる相手には拡げず、脚に対して反応して拡げているようだ。それに「威嚇」というと攻撃的な意味があるけれど、むしろ「ところで俺のグンバイを見てくれ、こいつをどう思う」と互いに見せあってる感じで、♀に対しての誇示と同じような意味合いなのかと思う。
4組の産卵だけど、2組は畳んでいるけど、2組は拡げている。「威嚇」とかいうより、ぶつからんようにしているだけなのかも。
脚は拡げるだけではなく、相手に掴みかかることもあるようで、新たにやってきたペアの♂が脚を拡げるもんで、その尾っぽを掴んでる。
なお、言うまでもないが、生物の行動に対し、もっともやっちゃいけないのは「擬人化して考える」ということだ。ここで擬人化した書き方してるけれど、単に記述上でそうしてるだけです。
なお、言うまでもないが、生物の行動に対し、もっともやっちゃいけないのは「擬人化して考える」ということだ。ここで擬人化した書き方してるけれど、単に記述上でそうしてるだけです。
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